Engadget Logo エンガジェット日本版 斬新な変化はなくともディスプレイとバッテリーで「かなり変わった」Apple Watch Series 7(松村太郎)

沿って : Ilikephone / On : 14/11/2022

Apple Watch Series 7は9月のiPhoneイベントで発表されましたが、iPhone 13シリーズとの同時発売とはならず、10月15日までずれ込みました。

健康関連に関する機能で認証を待っているのではないか? などとの見立てを立てていた筆者でしたが、イベントの際に語られなかった新機能が明かされることはなく、大きな追加トピックもないままの発売となります。そんなApple Watch Series 7ですが、2つの点で、魅力的なデバイスだと見ています。

Apple Watch(Amazon)

今回レビューしたのは、45mmグリーンアルミニウムケースAppleのウェブサイトでは結構な緑色だなーと思って見ていたのですが、いざ実物に触れてみると、割と強めに白い光をあてても、なお「深緑」どまり。光を反射する部分が深緑に見えますが、影になっているところはほぼ黒という面持ちです。緑として明るいバンドと合わせても良いし、スペースグレーやスペースブラックからの乗り換えで黒っぽいレザーともマッチしそうです。

そしてなにより、ディスプレイが大きくなったという印象が強いです。まずはこの話からしてしていきましょう。

「顔」となるディスプレイの進化

Apple Watch Series 7の魅力の1つは、ディスプレイの進化。しかしただ大きくなっただけではありません。しかし、第一印象は「大きくなった」、しかも「かなり大きくなった」です。対角のサイズではたった1mmなのですが。

Apple Watchは当初、38mm / 42mmという2つのケースサイズで登場しました。これが40mm / 44mmのサイズ構成になり、今回さらに41mm / 45mmへと拡大されました。

現在のラインアップで言えば、引き続き販売されているApple Watch Series 3と比べて、Series 7では50%も画面が拡大。前モデルのSeries 6や併売中のSEと比べても20%の画面サイズ拡大となりました。

しかし44mmと比べたらたった1mmの拡大。にもかかわらずなぜこんなに大きくなったと感じるのか。その秘密は、ボーダー、縁取りにあります。

Appleは今回、バンド幅やそのアタッチには変更を加えず、画面拡大を実現しました。そのため、初代Apple Watch向けの42mm用バンドも、45mmケースに装着可能です。

できるだけデバイスそのものの拡大を防ぎながら画面サイズを拡大させられた理由は、画面の縁に残る黒い部分を1.7mmにまで縮めたことでした。

実は今までApple Watchでは、この縁取りが気になってしまって、全面に色がついている文字盤を敬遠していました。しかし今回のディスプレイなら、縁取りが極めて小さくなったため、安心してそうした文字盤を選ぶことができます。

さらに、50%厚みを増した前面ガラスは、縁まで攻めているディスプレイの光を屈折し、側面にも伝えます。特に斜めの角度から見た時に、色がついた文字盤がにじむように縁の外側に拡がり、デザインは同じながら全く異なる表情を作り出していました。

このディスプレイの実装だけでも、今までのApple Watchユーザーには違いを伝え、初めてのユーザーには斬新な印象を与えてくれます。

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長持ちバッテリーと充電マネジメント

もう一つの魅力はバッテリーです。Apple Watchのバッテリー性能は「1日」で、この1日は24時間という意味ではなく、人間の活動時間の1日としています。

この点は変わらないのですが、運用方法によってこの解釈が変わってきた、というのが実際です。

AppleはこれまでもLTPO(低温ポリシリコン結晶)の有機ELディスプレイを採用し、可変リフレッシュレートの導入によってバッテリー持続時間を維持しながら常時点灯機能を実現してきました。

今回は、画面拡大に加えて、室内や常時点灯時の輝度も高めて視認性を向上させています。裏を返せば、ディスプレイのバッテリー効率性がより高まったということでもあります。

特にこれから冬の時期、長袖を着るようになって時計を横目で気軽に見られなくなってきたら、常時点灯をオフにしても良いでしょう。

そうするとこれまで以上のバッテリー持続時間を確保できる事になります。実際、常時点灯オフでは電池が長持ちします。朝6時に家を出て、25分ほど屋外ウォーキングでエクササイズ計測を行い、1日過ごして帰りも同様に屋外ウォーキングをして夜20時に帰宅した段階で、バッテリーの残りは65%以上をコンスタントに叩き出しました。

Apple自身は1日持つバッテリーと言っていますが、常時点灯オフなら1日半は安心して使えるようになった、と言えます。さらに、付属するMagSafe的な充電器は、USB-C端子のものへと変更されました。これにより充電速度が高速化され、0〜80%までの充電が45分で済みます。

例えば、前述の通り、家に帰ってきて、そのまま付けっぱなしで眠りについても睡眠計測を成し遂げることができ、朝起きても30%前後のバッテリーが残っている状態。ここから身支度の1時間をApple Watchの充電にあてることで、その日の分のバッテリーを確保するには十分でしょう。

ちなみに8分間で8時間の睡眠計測(画面が暗くシンプルな時計表示となり、デジタルクラウンを回さないとロック解除できない「集中」モード)が可能な電力を確保できるとのことで、寝る前に少し充電する、と言う使い方でも良さそうです。

時代がWatchを求めている

Apple Watchは2015年に、5年ぶりとなる新しいフォームファクターを備えて登場しました。「ウェアラブル」「スポート&ヘルストラッキング」というカテゴリへのAppleとしての新規参入で、(物理的に)「最も身近なApple製品」となりました。

2015年からの5年間でユーザーベースは10倍の1億台を超えましたが、AppleのTim Cook CEOはまだまだ普及序盤である点を指摘しています。

特に2021年に入ってからの成長が著しく、75%が新規購入者。Apple Watchそのものは登場当初から価値を大きく変えていないように見えますが、コロナ禍でアクティビティやエクササイズが貴重な機会となり、またApple Payによる手首だけの決済も、公共物に触れずに生活したいアフターコロナのニーズに合致しました。

加えて、コロナの重症度の指標となる血中酸素飽和度が計測できるのも購入者増加のポイントでしょう。Apple Watchとしては、米国で上位に位置する死因となっている心肺機能にフォーカスして機能追加していたことが、結果としてコロナ対応につながったわけです。

Apple Watch自身は大きくキャラクターを変えたわけではありませんが、時代から社会からのニーズが高まった、追いついてきた、と考えると、非常に面白い製品の普及を見ているように思います。

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