【詳しくわかる】 立憲民主党代表選挙2021

沿って : Ilikephone / On : 12/02/2023

枝野代表が辞任

立憲民主党は11月12日、両院議員総会を開き、枝野幸男代表の辞任を了承しました。

両院議員総会の冒頭、衆議院選挙で議席を減らした責任をとって辞任する意向を表明していた枝野代表があいさつしました。

枝野氏は、「この1年ほど、私なりにできることは最大限できたが、衆議院選挙で、多くの仲間にこの場に来ていただけない結果になったことは残念で、申し訳なく思っている」と述べました。

一方で、「私たちの目指すものが否定されたとは思っていない。あくまでも私の選挙戦術や党運営が力不足だった。新しい代表のもとで、必ず政権を獲得して、私たちの目指す社会を作っていくよう一致結束して進んでもらいたい」と呼びかけました。

そして、総会では、枝野氏の辞任が正式に了承されました。

日程は

後任を決める代表選挙について、党員などにも参加してもらい、11月19日に告示し、30日に国会議員の投票を行って、党員などの投票結果もあわせて、新しい代表を選出することを決めました。

代表選の仕組み フルスペックで

今回の立憲民主党の代表選挙は、党所属の国会議員のほか、国政選挙の公認候補予定者、地方議員、党員・サポーターによる投票で争われます。投票はポイントに換算して集計されます。

▽衆参両院の国会議員140人は1人2ポイント、▽現在、6人いる国政選挙の公認候補予定者は、1人1ポイントの合わせて286ポイントが割り当てられます。

また、▽全国1200人余りの地方議員に143ポイント、▽党員・サポーターにも同じ143ポイントが割り当てられ、得票数に応じて、いわゆるドント方式で候補者にポイントを配分します。

これらを合計した572ポイントのうち、過半数を獲得した候補者が、新しい代表に選出されます。

投票は、▽国会議員と公認候補予定者が、11月30日の臨時党大会で、▽地方議員と党員・サポーターは11月29日の締め切りで、事前に郵送やインターネットを通じて行います。

過半数のポイントを獲得する候補者がいなかった場合は、上位2人による決選投票が行われます。

決選投票は、▽国会議員が1人2ポイント、▽公認候補予定者が1人1ポイント、▽各都道府県連の代表者に1人1ポイントを割り当てた合計333ポイントで争われます。

4人が立候補

立憲民主党の代表選挙は19日告示され、届け出順に逢坂・元総理大臣補佐官、小川・国会対策副委員長、泉・政務調査会長、西村・元厚生労働副大臣の4人が立候補し、党勢の立て直しや、共産党などとの野党連携の在り方をめぐって、今月30日の投開票に向けた選挙戦がスタートしました。

選挙期間中、札幌、福岡、横浜での街頭演説や討論会なども予定されていて、衆議院選挙で議席を減らした党勢の立て直しや、共産党などとの野党連携のあり方をめぐって論戦が交わされる見通しです。

今月30日の投開票に向けて、党勢の立て直しや、共産党などとの野党連携のあり方をめぐって論戦が交わされる見通しです。

逢坂誠二氏「信頼される立憲民主党の先頭に立ちたい」

逢坂陣営の決起集会は午前10時半から国会内で開かれ、およそ20人の議員が出席しました。

この中で、逢坂氏は「今回の選挙は、対立のための議論ではなく、お互いが政策を披露し、次の新しい立憲民主党の土台がさらに強化されるような政策議論となることを望んでいる」と述べました。

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立憲民主党代表選挙2021

そのうえで「38年間の社会人生活の中で24年間実務の現場にいた経験を踏まえ、政策面や党のマネージメントについて議論を行い、国民の役に立ち、信頼される立憲民主党の先頭に立ちたい」と立候補の決意を述べました。

逢坂誠二氏とは

逢坂誠二氏は衆議院北海道8区選出の当選5回で、62歳。北海道ニセコ町の職員を経て、平成6年に35歳で町長選挙で初当選し、3期11年務めました。町長時代は「情報公開」と「住民参加」を原則とする「まちづくり基本条例」を制定しました。平成17年の衆議院選挙で当時の民主党から比例代表で立候補して初当選。民主党政権では、総理大臣補佐官などを務めました。4年前、所属していた民進党が分裂。希望の党には参加せず、直後の衆議院選挙には無所属で立候補して勝利しました。その後、旧国民民主党などと合流前の立憲民主党では政務調査会長を務めました。ITへの関心が高く、スマートウォッチで睡眠時間や歩数を管理しています。趣味は音楽鑑賞で、特に好きなのはシンガーソングライターで、ノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランさんだということです。

逢坂氏の推薦人

逢坂氏の推薦人は20人です。衆議院議員が7人、参議院議員が13人、選挙対策本部長は、近藤昭一衆議院議員です。近藤氏が会長を務める党内最大のグループ「サンクチュアリ」のメンバーが中心です。自治労や日教組など労働組合の支援を受ける議員もいます。また、逢坂氏が会長を務める党の北海道連所属の議員も含まれています。(衆議院議員7人)石川香織、大築紅葉、近藤昭一、堤かなめ、道下大樹、山岡達丸、柚木道義(参議院議員13人)有田芳生、江崎孝、小沢雅仁、勝部賢志、岸真紀子、斎藤嘉隆、田島麻衣子、那谷屋正義、白眞勲、鉢呂吉雄、水岡俊一、森屋隆、吉田忠智

小川淳也氏「次世代としての責任 果たしていきたい」

小川陣営の出陣式には、選挙対策本部長を務める野田国義参議院議員や、みずからの立候補を断念し、小川氏の支持に回った大串博志役員室長らおよそ20人が出席しました。

小川氏は「何としても日本の政治に1つの希望の光、明るい日ざしをともすように、その役割を皆様の代弁者として、しっかり果たす決意を新たにしている」と述べました。

そのうえで「立憲民主党を立て直し、政権の受け皿として認知され、日本の巨大な構造問題に立ち向かって初めて、新しい時代をつくっていく次世代としての責任を果たしていきたい」と述べました。

小川淳也氏とは

小川淳也氏は、衆議院香川1区選出の当選6回で、50歳。旧自治省、今の総務省を経て、平成15年の衆議院選挙に民主党から初めて挑戦しましたが落選。2年後の衆議院選挙で比例代表で復活当選し、初めて議席を獲得しました。民主党政権では、総務政務官などを務めました。4年前の衆議院選挙の直前には、所属していた民進党が分裂し、希望の党に参加しました。その後、無所属となり、去年9月、今の立憲民主党に参加しました。先の衆議院選挙では、自民党の現職閣僚との戦いが全国的にも注目され、12年ぶりに小選挙区で議席を獲得しました。一方、小川氏は、去年、自身の政治活動を追ったドキュメンタリー映画が公開され話題となりました。趣味は高校まで続けた野球。今でも時間がある時は、母校のOB主催の練習試合などに参加しているということです。

小川氏の推薦人

小川氏の推薦人は25人です。衆議院議員が21人、参議院議員が4人、選挙対策本部長は、野田国義・参議院議員です。野田・元総理大臣のグループ「花斉会」、若手中心のグループ「直諌の会」のメンバーなどが含まれています。泉氏の支持を確認した旧国民民主党出身者中心のグループ「自誓会」の会長、階猛氏も名前を連ねています。(衆議院議員21人)青柳陽一郎、伊藤俊輔、稲富修二、大串博志、奥野総一郎、落合貴之、鎌田さゆり、菊田真紀子、源馬謙太郎、近藤和也、桜井周、階猛、白石洋一、鈴木庸介、田嶋要、手塚仁雄、寺田学、中島克仁、中谷一馬、谷田川元、湯原俊二(参議院議員4人)小西洋之、塩村文夏、長浜博行、野田国義

泉健太氏「しっかりと自己反省し みんなで党改革を」

泉政務調査会長の陣営の出陣式には、およそ30人の国会議員らが出席しました。

泉政務調査会長は出陣式で「新しい世代にバトンが渡される今だからこそ、しっかりと自己反省し、みんなで党改革をし、国民に愛され、信頼される立憲民主党をつくりたい。生きづらさを感じている人たちにしっかり寄り添い、解決していく政党として党をさらに飛躍させていく」と述べました。

そのうえで「政権監視能力は落とすことなく、新自由主義には違う道があると明確にしながら政策を積極的に立案し、自民党とは違う経済政策や日本の政治の在り方で論戦を挑む政党であることをもっともっと訴えていこう」と呼びかけました。

泉健太氏とは

泉健太氏は衆議院京都3区選出の当選8回で、47歳。現在幹事長を務める福山哲郎氏の秘書などを経て、平成15年の衆議院選挙で、当時の民主党から立候補して29歳で初当選しました。民主党政権では、内閣府政務官などを務めました。4年前の衆議院選挙の直前、所属していた民進党が分裂し、東京都の小池知事が立ち上げた希望の党から立候補しました。その後、旧国民民主党の国会対策委員長や政務調査会長の要職を務め、去年9月に立憲民主党との合流に参加し、代表選挙に立候補しました。趣味は高校まで続けた野球。新型コロナのワクチンを接種したあと、SNSに「左肩にデッドボールを受けた後という感じだ」と投稿していました。地元京都の自宅で飼っているうさぎと過ごすひとときが心の癒やしだということです。

泉氏の推薦人

泉氏の推薦人は25人です。衆議院議員が18人、参議院議員が7人、選挙対策本部長は、田名部匡代参議院議員です。このうち10人は、泉氏と同じ合流前の旧国民民主党出身です。泉氏が会長を務めるグループ「新政権研究会」や、小沢一郎氏が率いるグループのメンバーに加え、若手中心のグループ「直諌の会」のメンバーが含まれています。また、小川氏の推薦人の階猛氏が会長を務める「自誓会」のメンバーも名を連ねています。(衆議院議員18人)青山大人、荒井優、井坂信彦、神津健、後藤祐一、佐藤公治、篠原豪、下条みつ、末次精一、末松義規、徳永久志、野間健、福田昭夫、馬淵澄夫、森田俊和、山田勝彦、山井和則、吉田統彦(参議院議員7人)木戸口英司、古賀之士、田名部匡代、羽田次郎、牧山ひろえ、森本真治、横澤高徳

西村智奈美氏「信頼してもらえる政党にするため全力で」

西村智奈美・元厚生労働副大臣の陣営の決起集会には、支持する国会議員や地方議員らおよそ40人が集まりました。

西村氏は「野党第1党としての立憲民主党を私自身が先頭に立ってしっかりと立て直し、もう一度有権者から信頼してもらえる政党にするために、できることを全力で頑張ろうという決意だ」と述べました。

そのうえで「私は派手なパフォーマンスや人気取りの政策はやらない。自分の持ち味を生かし、責任感を持って今の状況を一つ一つ変えていきたい。皆さんと対話しながら共に行動する草の根民主主義をもう1度行っていきたい」と述べました。

西村智奈美氏とは

西村智奈美氏は、衆議院新潟1区選出の当選6回で、54歳。新潟県議会議員を経て、平成15年の衆議院選挙で当時の民主党から立候補して初当選しました。民主党政権では、厚生労働副大臣や外務政務官を務めました。4年前、所属していた民進党が分裂したときには、希望の党への合流には加わらず、衆議院選挙の直前に発足した立憲民主党に参加しました。党では、ジェンダー平等推進本部の本部長などを務め、女性の政治参画やジェンダー平等を訴えてきました。夫は元衆議院議員の本多平直氏です。身長が1メートル70センチあり、高校、大学時代には弓道に打ち込みました。また、タイとイギリスに留学した経験から、タイ語と英語が堪能で、築地の場外市場で食材を買ってタイ料理を作ることもあるということです。

西村氏の推薦人

西村氏の推薦人は20人です。衆議院議員が12人、参議院議員が8人、選挙対策本部長は、阿部知子衆議院議員です。女性が7人で、4陣営の中で最も多くなっています。みずからが所属する、菅・元総理大臣のグループ「国のかたち研究会」のメンバーが中心で、逢坂氏を擁立した「サンクチュアリ」のメンバーも含まれています。(衆議院議員12人)阿部知子、大河原雅子、岡本章子、菅直人、小山展弘、篠原孝、中川正春、森山浩行、山崎誠、吉田晴美、早稲田夕季、渡辺創(参議院議員8人)石川大我、石垣のり子、石橋通宏、打越さく良、川田龍平、熊谷裕人、杉尾秀哉、真山勇一

今後のスケジュール

19日に告示された立憲民主党の代表選挙は、11日間の選挙戦を経て、今月30日の臨時党大会で投開票が行われます。

今回の選挙は、全国の地方議員や党員・サポーターも投票することになっていて、選挙期間中には、札幌市や福岡市、それに横浜市で、街頭演説や討論会が行われます。

一方、新型コロナウイルスの感染対策のため、オンラインも活用することにしていて、20日、党員・サポーターや女性議員が参加するオンライン集会が開かれます。

このほか22日には、日本記者クラブ主催の討論会が予定されています。

投票は、地方議員と党員・サポーターは、事前に郵送やインターネットを通じて行い、29日に締め切られます。

30日には、東京都内のホテルで、臨時の党大会を開き、候補者が最後の演説を行って支持を訴えます。

そして、地方議員と党員・サポーターの投票の結果が報告された後、国会議員と国政選挙の公認候補予定者が投票し、その場で開票され、新しい代表が選ばれます。