おうち時間が続いても、Apple Watchで健康管理していこう - ケータイ Watch

沿って : Ilikephone / On : 07/05/2022

Apple Watch Series 6(40mmモデル)

 筆者は健康には人一倍、気を遣っている。長生きするためだったら死んでもイイという覚悟だ。「本末転倒じゃねーか」と思われるかも知れないが、健康にはそのくらいの気持ちが必要だと思っている。

 健康維持の基本は、健康状態の把握と良好な生活習慣の維持、この2本の柱だ。もちろんほかにもいろいろな要素があるが、この2本の柱は基本であり最重要で、これらをおろそかにするような近道はない。しかしスマートデバイスの力で効率化はできる。とくにApple Watchはさまざまな機能でサポートしてくれるので、これを活用しない手はない。

外側の赤い円が1日の消費カロリー「ムーブ」、中の緑の円が運動した時間「エクササイズ」、内側の水色の円が立ち上がった回数「スタンド」

 まず最初に注目するべきは、日々の消費カロリーなどのデータだ。この手のトラッキング機能は、たいていのウェアラブルデバイスが搭載する、ある意味でありきたりな機能とも言えるが、欠かすことのできない機能でもある。とくに最近はコロナ禍で外出機会が減り、運動する時間も減っているので、さらに重要になってきている。

 Apple Watchでは「消費したカロリー」と「運動した時間」、「立ち上がった回数(1時間に1回のみカウント)」の3つの項目を測定し、目標に対する進捗状況が特徴的な円グラフで表示される。

筆者が常用してるApple Watchの文字盤デザイン。左上に小さく表示されるだけだが、ローガン気味の筆者でもコレで十分視認できる

 この円グラフ、最初は筆者も「変なデザイン!」と思っていたが、慣れてくると視認性が高く、合理的であると気づかされる。一目で「あ、今日はちょっと消費カロリーが足りないな」とか「今日は座りっぱなしじゃないかっ!」と確認できるので、運動習慣をその場で改善しやすい。

 この円グラフはiPhoneのウィジェットやApple Watchのコンプリケーションに表示できるので、小さくても良いのでどこかに表示しておくのがオススメだ。

ムーブの週平均の履歴。こうやって過去の履歴が見えるのが重要。あと3日でムーブリング連続達成1年だ!

 さらにiPhoneの「フィットネス」アプリ上では、この円グラフの週平均などを「トレンド」として確認できる。「最近、運動時間が足りないなー」や「消費カロリーが減ってないのに体重が増えてるのは食事が増えてるのかなー」といった傾向がわかるのは、長期的な健康維持には非常に有効だ。

 こうしたフィットネス系のデータ以外にも、Apple Watchはいろいろな健康に関係するバイタルデータを測定できる。測定したデータはiPhone上の「ヘルスケア」アプリから参照できるので、Apple Watchユーザーは是非とも確認して欲しい。

筆者の安静時心拍数は55拍/分前後。60を超えたら体調不良や運動不足を疑う感じだ

 たとえば心拍数については、エクササイズ中に計測してくれるほか、日常生活でも測定してくれて、「安静時心拍数」などを記録してくれる。安静時心拍数は本来はそれほど重要な数値ではないが、筆者はこの数値もこまめにチェックしている。

 安静時心拍数は、有酸素運動をたくさんやり続けると心機能が向上し、数値が下がっていくので、有酸素運動ができているかどうかのバロメーターになってくれる。また、風邪や疲労、睡眠不足などでは一時的に上昇するので、体調のバロメーターにもなる。

 いずれも「あくまで参考値」程度ではあるが、心拍数が高い日が続いたときは、体温を測って風邪や「アレ」の徴候がないかを気をつけたり、あるいは睡眠不足などの生活習慣の見直しをしたりしている。

おうち時間が続いても、Apple Watchで健康管理していこう - ケータイ Watch

 Apple Watch Series 6では血中酸素濃度も計測されるようになった。こちらは肺機能などに問題があると下がる数値だが、肺炎などにかからないと変化しないので、普段はあまり関係ない。

最大酸素摂取量。屋外ウォーキングなどをしないと計測されないので、外出の少ない昨今は計測データが少ない。筆者は40代男性としてはわりと良い方らしい。

 呼吸器系機能としては、最大酸素摂取量(VO2max)を測定する機能もある。VO2maxはスポーツシーンにおける心肺機能の性能を表わす数値のひとつで、Apple Watchの場合は心拍センサーとモーションセンサーからの推定値になる。屋外ウォーキングなどのワークアウトを計測すると、そのときついでにVO2maxが計測される仕組みだ。

 ちゃんと心肺機能が鍛えられるような有酸素運動をしていれば、これも向上していくようなので、トレーニングをしている人は、たまに確認すると良い。しかし屋外ウォーキングなどのワークアウトを行なわないと計測されないので注意が必要だ。

心電図計測。心拍数が50拍/分を下回るとエラーが出てしまう

 Apple Watch Series 4/5/6では心電図(ECGやEKGとか呼ばれるヤツ)の計測もできる。ただこちらはアプリを起動しないと測定できないし、そもそも心疾患を診断されている人が日々の状況を計測し、医師と相談するときに使うみたいな用途なので、健康診断などで問題を指摘されてない人はあまり気にする必要はない。

環境音の測定。大通りを歩いてるときなどにも警告が出たりするので、聴覚が気にならない人は通知オフでも良いと思う

 変わったところでは環境音の大きさを継続測定し、聴覚に悪影響を及ぼすレベルかどうかも記録されている。自宅近くに騒音源がある人、健康診断で聴覚に指摘があった人などはちょっと気にした方が良いかもしれない。

睡眠スケジュールの設定。就寝時刻が近づくと寝るように促される

 Apple Watchは睡眠データも測定できる。睡眠は食事・運動に並ぶ、健康に大きく関わる生活習慣なので、これも重要だ。が、筆者は睡眠時にApple Watchを着けない(そのあいだは充電している)ので、こちらは測定していない。筆者は寝るのが大好きなので、言われないでも時間が許す限り寝るし、たくさん寝るために就寝時刻もなるべく遅くならないようにしている。

 就寝時刻が遅くなって睡眠時間が不足しがちな人は、「ヘルスケア」アプリの「睡眠」で「睡眠スケジュール」を設定しておけば、「そろそろ寝る時間だぜ」と通知してくれるので、この機能を使うと良いだろう。

歩行データ。歩いた量ではなく、正しく歩けているかを簡易的に見てくれるのが面白い

 消費カロリーや歩数などとは別に、歩行時の細かいデータ、「歩行時両脚支持時間」や「歩行非対称性」も記録してくれる。これらは怪我や体力低下の影響を受ける数値なので、これもたまにチェックすると面白い項目だ。

ヘルスケアアプリにはいろいろな項目があるので、興味がある人は片っ端から見ていくのがオススメだ

 このほかにも「ヘルスケア」ではApple Watchが測定できないさまざまなデータも扱うことができる。Apple Watchはいろいろなバイタルデータを測定してくれるが、それでも限界がある。それを補うために別のデバイスを組み合わせた方が良い。

筆者が使っているWithingsの体組成計「Cardio」。Wi-Fiでクラウドと自動同期してくれるのが便利

 Apple Watchに加えてもうひとつデバイスを選ぶとなると、筆頭に上がるのは体組成計だ。体重と体脂肪率は、日々の運動(消費カロリー)と食事のバランスが取れているかを判断する重要なデータだが、こればかりは体組成計以外では測定できない。過去のデータを参照するのも重要なので、スマートフォンと連携してデータを管理できる製品がオススメだ。

体重も過去の上下を見られると面白い。筆者は昨年9月からジムで筋トレを開始し、有酸素運動を減らして食事量を増やしたので、体重は5kg近く増えている。が、まだ標準体重よりやや軽いオムロンの「HEM-7511T」。Bluetoothでスマホと連携できる。高血圧は改善しにくいが、悪化していないことを確認するのがとても重要

 筆者は高血圧オジサンなので、血圧計も使っている。血圧計も腕に巻くものだが、圧力をかける必要があるので、Apple Watchのようなコンパクトさが重視されるデバイスには搭載されにくい。こちらも過去のデータを見やすくするために、スマートフォン連携できる製品がオススメだ。

 さらに筆者は体質的にインスリンの分泌量が少なく、血糖値が下がりにくいので、本当は血糖値も測定したいのだが、血糖値の計測は針を刺したりして血液や体液を採取する必要があるので、なかなか気軽に扱えるデバイスは存在しない。ただ、針を刺さずに血糖値を推定する非侵襲型の血糖値センサー技術も開発されつつあるので、そう遠くない将来に気軽かつ日常的に扱える血糖値測定器の登場することを期待したい。