ロシアを国際決済網から締め出し…「金融制裁の核兵器」（中央日報日本語版） - Yahoo!ニュース
配信
侵攻４日目の２７日、ウクライナ軍がロシア軍の攻勢に対抗し必死な防衛に出た。米国と欧州連合（ＥＵ）、英国などは２６日に対ロシア制裁の一環として「金融制裁の核兵器」と言える国際銀行間通信協会（ＳＷＩＦＴ）決済網からの排除を決めた。これらの国はこの日共同声明を通じ「ロシア軍がキエフをはじめとする他の都市を攻撃していることからわれわれはロシアを国際金融から孤立させることを決めた」と明らかにした。先進７カ国（Ｇ７）も参加した。バイデン米大統領は「今回の戦争はプーチン大統領に責任があり、戦略的に失敗したものだという点をわからせなければならない」と話した。プーチン大統領はこれに対し「西側諸国がロシアに友好的でない措置をしている」として核兵器運用部隊に警戒態勢を強化するよう指示した。ＳＷＩＦＴは１万１０００社を超える世界の金融機関が安全に決済注文をやりとりするために使うセキュリティ性が高いコンピュータネットワークだ。昨年は１日平均４２００万件の取引がＳＷＩＦＴを通じて行われたが、ここから閉め出されれば事実上その銀行を利用したドル取引が不可能になる。ロシアＳＷＩＦＴ協会によるとロシアの銀行３００社ほどがＳＷＩＦＴに加入しており、全国際金融取引の８０％をＳＷＩＦＴに依存している。また、ロシアは米国に次いでＳＷＩＦＴ決済件数が多い国だ。ウクライナのゼレンスキー大統領はこの日テレビ演説を通じ、「ロシアをＳＷＩＦＴから排除するために努めてきたわれわれの外交官が勝利を収めた。これはロシアに途轍もない損害になるだろう」と話した。米政権官僚は「ＥＵが遮断されるロシアの銀行リストを確定する予定」と明らかにした。フォンデアライエン欧州委員長は「ロシア中央銀行が取引できないようにその資産を凍結するだろう」と明らかにした。ロシア中央銀行に対する制裁が実施されれば６４３０億ドル規模と推定される外貨準備高への接近に制限を受けることになり財政に直接的な打撃が発生する可能性がある。韓国銀行関係者は「ロシアが外貨準備高を米ドルなどで持っているため取引自体が制限されるもの」と説明した。だがロシアだけが被害を受けるものではない。西側の銀行もやはりロシアに貸した資金を適時に返済を受けられなくなるためだ。韓国も「安全国」ではない。まずロシアと貿易取引をする韓国企業は輸出入代金を受け取ることができない。ＫＯＴＲＡモスクワ貿易館のチェ・ジンヒョン次長は「ロシアの輸出入関連企業からの電話が数十通あふれた」と話した。◇ロシア、６４３０億ドル規模の外貨凍結で大きな打撃貿易協会のチョ・ヨンソク現場政策室長は「ＳＷＩＦＴ制裁が行われれば金融取引そのものが難しくなる状況が発生するため貿易に悪影響がある。輸入代金を支払えないので原材料輸入が難しくなり、輸出企業は輸出代金を回収できなくなる」と懸念する。ロシアに滞在する留学生と企業駐在員も送金を受けるのが難しくなる。都市銀行関係者は「現在韓国ではＳＷＩＦＴを利用せずに海外銀行に送金するのは難しい」と話す。世界の原材料市場と金融市場は揺れ動く可能性が大きい。ルーブル下落、国際原油価格上昇を招き、世界の証券市場に悪影響を及ぼしそうだ。ＬＧ経営研究院のチョ・ヨンム研究委員は「ロシアで産出されるエネルギーや穀物が世界市場に供給されなければコスト上昇にともなう世界的なインフレ圧力が大きくなりかねない」と話した。ハイ投資証券のパク・サンヒョン研究員は「２５日の米国など主要国の証券市場反騰の原因のひとつが米国のロシア制裁レベルが弱かったこと。今回のＳＷＩＦＴ制裁で国際原油価格が上昇し世界の証券市場は下落の恐れがある」と話した。ただロシアのＳＷＩＦＴ締め出しが韓国に及ぼす影響は限定的という見方も少なくない。金融監督院によると、韓国の金融機関の対ロシアエクスポージャー（危険露出額）は１４億７０００万ドルで、全体の０．４％水準だ。
最終更新:中央日報日本語版
