<和田家の男たち>最終回までの全話の解説/考察/感想まとめ【※ネタバレあり】 (2021年11月14日) - エキサイトニュース

沿って : Ilikephone / On : 26/11/2022

Tweet→「和田家の男たち」の画像ギャラリーへ相葉雅紀、3年ぶりの連ドラ主演!「和田家の男たち」が2021年10月7日より放送スタート。コロナ禍で失業した主人公が、ひょんなことから疎遠になっていた父・祖父と男3人で暮らすことになる。この家を覗けば“令和の日本”が見えてくる!?息子・相葉雅紀 《ネットニュース記者》父・佐々木蔵之介 《TV局報道マン》祖父・段田安則 《新聞記者》大石静が描く、マスコミ三世代男だらけの異色ホームドラマ!cinemas PLUSでは毎話公式ライターが感想を記しているが、本記事ではそれらの記事を集約。1記事で全話の感想を読むことができる。

もくじ

・第1話ストーリー&レビュー・第2話ストーリー&レビュー・第3話ストーリー&レビュー・第4話ストーリー&レビュー・第5話ストーリー&レビュー・第6話ストーリー&レビュー・第7話ストーリー&レビュー・第8話ストーリー&レビュー・「和田家の男たち」作品情報

第1話ストーリー&レビュー

→「和田家の男たち」画像ギャラリーへコロナ禍で14年勤めた会社が突然倒産し、生活費を稼ぐためデリバリーサービス『クイデリ』の配達員を始めた和田優(相葉雅紀)。ある日、配達先で、数年間疎遠になっていた父・秀平(佐々木蔵之介)と、秀平の父、つまりは祖父の寛(段田安則)と再会する! 優が10歳の頃、母のりえ(小池栄子)と再婚する形で優の父親となった秀平。26年前にりえが事故で亡くなってからは、父子2人で暮らしてきたが、社会人になったのをきっかけに優が独立してからは、なんとなく頻繁に連絡をとらなくなっていたのだ。優が職を失ったことを知った秀平は、寛をひとりにしておくことへの不安もあり、「ここで3人で暮らさないか?」と提案を持ちかける。平日は帰宅が遅い秀平からの「うちのことをやってくれたら、今のバイト代の3倍は出す」という申し出にちょっぴり心が揺れた優は、そのまま押し切られる形で寛の家へと移り住むことに…。こうして、数年来疎遠だったテレビ局報道マンの父、幼い頃に数回しか会ったことのない元新聞記者の祖父との共同生活が始まった優。初日の食卓から、さっそく寛と秀平が「報道のあり方」についての議論を交わすのを目の当たりにする中、優には大学時代のゼミの後輩・三ツ村翔星(正門良規)から、ネットニュース『バズとぴ』のライターをやらないかという誘いが舞い込む。数日前に寛から教えてもらった“すき焼きの裏技”についての記事で好感触を得た優は、寛と秀平に仕事が決まったことを意気揚々と報告するが…? 取材の対象的に、まったく交わることなどないと思っていた優と秀平だったが、ある出来事が意外な繋がりを導き出すことになり…!? 相葉くんの!!!!!!ドラマが!!!!!!ついに始まった!!!!!連続ドラマは「僕とシッポと神楽坂」(18)ぶり。2018年以来と考えると意外と時間が経っていないように思えるが、体感的には100億年ぶりくらいに思える。今期始まった「和田家の男たち」は相葉雅紀の持つ優しくて明るい雰囲気にぴったりマッチしたドラマである予感……!コロナ禍で会社が倒産し、配達員で生計を立てていたところ、なんやかんやで流されるまま父・秀平(佐々木蔵之介)と祖父・寛(段田安則)と共同生活することになった優(相葉雅紀)。ほんわかしたホームドラマが始まる~~!とかワクワクしていたが、どうやらホワホワした雰囲気だけではないようだ。夕食の場ではマスコミ談義が始まり、困惑する優。そりゃそうだ。すき焼きを囲む食卓もなんだかぎこちなくて、見ていてソワソワする。父親の秀平は正直まだ掴みどころのない雰囲気だが、祖父の寛の言動はあまり好きじゃない。秀平の就職先を根回ししたような発言、いかにも“昭和のおじいさん”といった印象だったのだ。一方で、優の魚料理に対して「魚より肉が好き」と言った後に「でもこれはウマい」と言ったあたり、ただの頭が固い人というわけではなさそう。ツンデレ……?すでに優を応援する気持ちでいっぱいの筆者だが、優が「バズとぴ」のライターになったことを嬉しそうに報告していたとき、秀平と寛の表情が曇ったことには同感してしまった。とはいえ、優にとってはやっと見つけた仕事である。自分の記事が多くの人に見てもらえたという喜びも分かる。嬉しそうに笑う優に対して、強く言い出せない秀平と寛のぎこちなさが、まだまだ家族としてのスタートラインといった感じだ。父と祖父の困惑ぶりとは裏腹に、イキイキとアルパカの取材を進める優。父と祖父との関係は気になるが、優は楽しそうだからそれでいいと思ったが、そんな簡単な話ではなかった……。優がたまたま撮影した写真を秀平がスクープに利用したのだ。父が写真を求めてきたことに対して、優は自分の仕事に興味を持ってもらえたと喜んだのだろうか。実際には利用された形となり、声を荒げる優。そんな優に対する父・秀平の「お前は素人だ」という一言があまりにも辛い。スクープに便乗して200万PVを突破した優のアルパカ紹介記事がなんだかむなしく見えてしまう。ドラマを観る前は“ほんわか飯テロホームドラマ”という印象だったが、シリアスな部分や複雑な人間関係、さらに謎めいている過去……気になるポイントは盛りだくさんである。※この記事は「和田家の男たち」の各話を1つにまとめたものです。→元記事はこちら→目次へ戻る

第2話ストーリー&レビュー

→「和田家の男たち」画像ギャラリーへある日、和田優(相葉雅紀)のもとに結婚式の招待状が届く。差出人は3年前に「話がつまらない」という理由で優に別れを告げた元カノだった。数日前に祖父の寛(段田安則)が「オンナにフラれた」と涙していたことを思い出した優は、寛と彼女・冬木亜蓮(草刈民代)とのなれそめを聞く。優はそのことを記事にするも、上司の三ツ村翔星(正門良規)から「ハイターゲットに向けた記事はいらない」とあっさりボツに!元カノの結婚式に出席することに、寛と父の秀平(佐々木蔵之介)からアレコレ言われながら迎えた披露宴当日――優は会場で戸倉ほのか(宮澤エマ)と出会う。なんと、披露宴の途中にもかかわらず帰る、というほのかとともに会場を抜け出した優。自宅まで送ってもらう車の中で“マスコミ三世代”に感心され、「かっこいいお爺様とかっこいいお父様にもお目にかかりたい」というほのかに圧倒された優は、和田家に遊びに来たいという頼みを受け入れてしまう。次の週末、和田家にやってきたほのかは、持ち前の知識と積極性で寛と秀平とあっという間に打ち解けた上、優に好意を示し、急接近するが…!?優(相葉雅紀)が翻弄され続けた第2話。視聴者側からすればモヤモヤが止まらない回でもあったと思う。諸々に触れる前にひとつ言いたいことがある。キスシーンがあるなんて聞いてない!!!!!ーーー祖父・寛(段田安則)は相変わらず我が道を生きる!というタイプだ。第1話でフラれた話をしていた時は少し同情したけど、今回の話を聞いて掌をひっくり返したい。たとえ言葉にして伝えられたわけではなくても、女性の立場から考えてみれば奥さんとの思い出の家で相手の息子と孫と同居なんて……「ありえない」と言いたくなるのがよく分かる。祖父・寛は「去る者追わず」な男の意地(?)を貫くあたり、やはり発言の節々に堅物感が漂っている。とはいえ優の仕事について「記事の内容はくだらないが文章のリズムは良い」と少し歩み寄っている様子。やはりツンデレ……?優の礼服を選んでいるときに言った「年相応は諦めた者の言い訳」という名言(?)も聞けたし、寛は良い人なのだろう。きっと。(だがご飯粒飛ばしまくるのは嫌だ)祖父・寛のご飯粒こぼしまくるシーンのモヤモヤも、「相葉雅紀×スーツ」を拝めたことで一気に吹っ飛んだ。スタイルが良いのは周知の事実だけど、やはり足首見えているパンツがよく似合う……!(「ひみつの嵐ちゃん!」の「マネキンファイブ」での相葉丈のくだりを思い出した)色んな服装が見られることも、このドラマのひそかな楽しみになりそう。優と戸倉ほのか(宮澤エマ)が急接近してからの様子はもうヤキモキの連続。THE 肉食系!積極的!を体現したようなほのかに翻弄されっぱなしの優。最終的にはフラれてしまったわけだが……そのフラれ方が辛すぎた。「つまらない男」だと言われてギリギリのところで耐えていただろうに、趣味の刺繍も否定されて、見てるこちらの心臓が痛い。優には彼に合った人と幸せになってほしいと思うと同時に、「翻弄される相葉雅紀」というのも悪くない……結構アリかもしれないと思ってしまった。37歳にして純粋さを残した人間の表現が光っていたと思う。視線の動き、表情の強張り具合などがキャラの心情にぴったりなのだ。また2話は、優が家族の前で初めて感情を爆発させた回でもある。ずっと家族として上手くやろうと頑張っていた優が“怒り”を見せたのは、和田家が家族として少しずつ成長している証だろうか。それにしても、普段のバラエティや今まで演じた役柄のイメージのせいか、相葉くんの怒りの演技は新鮮な気がする。しかもただの怒りの演技ではなく「家族の前でキレた経験がないと思われる人間の感情の爆発」だった。「優は幼少の頃から両親と親密なコミュニケーションを取れていたわけではない」と知っていても、怒りの演技で幼少の頃の環境がうかがえた。もっと色んな演技を見てみたい。第2話もシリアス部分が結構重めだったり、優の母親についての情報が追加されたりと、やはりただのホームドラマではない。それでも、話の最後に3人で食卓を和気あいあいと囲む姿にはほっこりさせられる。本当は幸せに食卓を囲んで絆を強めてほしいけど……来週からもシリアスとほっこりの緩急を楽しみたい。※この記事は「和田家の男たち」の各話を1つにまとめたものです。→元記事はこちら→目次へ戻る

第3話ストーリー&レビュー

→「和田家の男たち」画像ギャラリーへ新総理が誕生し、組閣のニュースが伝えられる中、“将来の総理大臣候補”と言われる清宮恭介(高橋光臣)が国土開発大臣として初入閣して大きな話題を呼ぶ。 和田家ではいつものように、新内閣について秀平(佐々木蔵之介)と寛(段田安則)の間で討論が。しかし優(相葉雅紀)は、2人が密かに話していた「あの子を守れ」「りえ(小池栄子)さんもそれを望んでいる」という会話が気になっていた。思い切って「初入閣する清宮さんってどういう人なの?」と尋ねてみる優だったがはぐらかされ…。 しかし優は、まだりえが亡くなる前、夜遅くに自宅で言い争っていた秀平とりえの口から“清宮”という名前が出ていたことを鮮明に覚えていたのだった…!そんな中、優は『バズとぴ』の三ツ村翔星(正門良規)に依頼され、千葉県のカッパ祭りの取材へ。なぜか祭りに参加する羽目になってしまった優だったが、偶然その帰り道に、トンネル崩落事故の現場を視察に来た清宮と出会う。 その映像を目にした秀平は、清宮に関するある衝撃的な事実を優に明かし…!?「あの子を守れ」「りえさんもそれを望んでいる」ーーーーー和田家の物語が大きく動いた第3話。優(相葉雅紀)の母・りえ(小池栄子)の死の新事実が明らかになった。いつもはほんわかした雰囲気とシリアスな場面な緩急が気持ちよかった「和田家の男たち」だが、今回は様子が違う。全体的にやや不穏な空気が漂い、シリアス多めである。相葉くんがカッパ祭りでカッパの格好をしていたことには思わず目が点になった。なんでも着こなすオシャレなイメージがある相葉くんでも……カッパは……いや似合っていた。カッパ祭りの帰りに新国土交通大臣の清宮恭介(高橋光臣)と優が接触したことにより(グータッチだけど)、物語は大きく動いた。ある夜に父・秀平(佐々木蔵之介)から優にとって衝撃の新事実がもたらされたのだ。「お母さんを死に追いやったのは清宮恭介とその父親だ____」超重要シーンだがあえて言いたい。もう少し時と場所はなんとかならなかったのか……?優は幼い頃に母を亡くし、その時の話についてろくに聞かされていない。それを今になっていきなり、しかも夜中にドア側に立って……。その場面だけ切り取ったら立派なホラー番組になりそう……。ざっくりまとめると、政治家である清宮隆三の不正を掴んだ母・りえは真実を暴くべくのめり込んだ結果、清宮一族に消されてしまった可能性が高いとのこと。警察がりえの死を事故として片付け、あっさりと手を引いたことからも秀平は確信している。母・りえは聡明な人で、厳しい報道の世界でも輝く報道人だった。息子・優の前では母親の顔を見せつつも、命の危険があったとしても正義を信じて仕事にのめり込む。ある意味不器用な人だったのかもしれない。りえが亡くなる頃、清宮隆三は幹事長で息子である恭介は家に反発しているヤンキーのように見えた。この2人がりえの死にどのように関わっているのかもかなり気になる。特に清宮恭介“の”父親ではなく清宮恭介“と”その父親……という言い方が若干引っかかる。(再確認しておきたいが、この物語はホームドラマである……ただし異色の)第1話、第2話では優や祖父・寛について多く触れてきたが、第3話は父・秀平がピックアップされていたように思う。りえとの過去を思い出し、を思い出し、懐かしそうに微笑む様子から一変して清宮一族への恨みともいえる感情。またニュース素材の中に、優と清宮恭介がグータッチしてる瞬間を見つけてしまった時のあの表情……マスク越しでもはっきりと伝わる動揺。そして過去のりえに関する出来事を淡々と優に語る姿。激情を内に秘めて総合プロデューサーとしてのしあがり、虎視眈々と清宮たちを狙う秀平を演じる佐々木蔵之介。こんな言い方は失礼かもしれないけど、今まで積み上げてきたものに裏付けられた、確かな演技力を感じた。さて、ここまでシリアスに話が傾くと、いつもの和やかな雰囲気で食卓を囲めるわけでもない。普段なら食卓を柔らかな雰囲気で包み込み、物語をほっこりとした雰囲気で終わらせてくれる主題歌の「Watching Over You」も、今回は少し重く聴こえてしまった。優には母の死があらためて重くのしかかっている。優は母の気質を受け継いだのか、どこかのめり込んでしまいそうな雰囲気があるので心配だ。なんとなく重い食卓の空気を察したのか、祖父・寛が場を盛り上げようとしていた。いつもは「我が道をゆく!!」のような堅物なじいさんなのに。いや、いつもの祖父らしさも忘れず、2人を気遣う様子を見せていた。普段なら他人のことなんて気にしない寛も、優と暮らすようになってから成長したのだろうか。優と秀平の心に暗い影が存在するのは事実だろう。だが和田家の「家族」としての絆が徐々に強くなり、それぞれの心を支えているのもまた事実だ。どんなにシリアスな展開が続いても、和田家が食卓を囲む時間だけは平和であってほしい。※この記事は「和田家の男たち」の各話を1つにまとめたものです。→元記事はこちら→目次へ戻る

第4話ストーリー&レビュー

→「和田家の男たち」画像ギャラリーへ「お母さんを死に追いやったのは清宮恭介(高橋光臣)とその父親だ」――父・秀平(佐々木蔵之介)からりえ(小池栄子)の死に関する新事実を聞かされた和田優(相葉雅紀)は、あまりの衝撃に動揺を隠せずにいた。ずっと知りたかったことを知ることができた一方で、「あまり突っ込みすぎると命の危険にさらされる」という秀平の言葉も重くのしかかる。寛(段田安則)からも、「容易に動くんじゃないぞ」と念を押され、ますます自分の身の危うさを自覚する優だった。そんな気分だからか、『バズとぴ』の記事を書こうとしても思うようにネタも浮かばず…。会社に呼ばれた優は三ツ村翔星(正門良規)から新しいライターを紹介され、「頑張らないと居場所なくなりますよ」とはっぱをかけられてしまう。気もそぞろに日々を過ごしながら、ふと気づくと誰かに尾行されているような気配を感じる優。朝食をとりながら、そのことを秀平と寛に打ち明けてみるものの、2人からは「そんなに怖がることはない」と諭されてしまう。しかし、優の代わりに買い物に出た寛も同じように尾行され…。やがて明らかになった怪しい影の正体は、驚くべき人物だった!そんな中、なかなか原稿を上げてこない優を心配した三ツ村と志麻さと美(石川恋)が和田家にやってくる。寛も交え、酒を飲み始めた4人は次第に意気投合し…?「取り戻せないことのために足掻いて躓いてはならない」ーーーーーかなりシリアスな展開だった前回の第3話。いよいよ和田家にも危機が……?!と一瞬身構えたが、さすがは緩急の具合がいいドラマ。第4話はほっこりできた。第4話の主人公は優(相葉雅紀)ではなく、祖父の寛(段田安則)だったように思える。優や寛に忍び寄っていたのは清宮一族の魔の手……ではなく、寛と付き合っていた女性・冬木亜蓮(草刈民代)だった。復縁したいと願う亜蓮に対して「覆水盆に返らず」の姿勢をなんとか貫き通した寛。未練たっぷりなのは見え見えだが、男としての筋を通すらしい。そりゃ芯が通っている人間はカッコ良いけど、時には素直になることもまたカッコ良いと思う。素直になれよ寛……。一方で「パズとぴ」の記事が思うように書けない優のもとへ、編集部の三ツ村翔星(正門良規)と志麻さと美(石川恋)がやってくる。毎話、印象的な服装で目を引く三ツ村……今回も派手な格好をしていて、気がついたら毎回楽しみにしている自分がいる……。(それにしてもサラリと着こなせるのがすごい)寛が酔っ払って割ってしまったグラスの破片で秀平(佐々木蔵之介)が怪我をしてもどこ吹く風といった表情。いつも通りの寛だ。また次の女性とお付き合いするのかと思いきや、なんと寛は優に対して冬木亜蓮との復縁を手伝ってほしいというのだ。寛いわく、「歳を重ねることは失うこと」らしい。歳を重ねてどんどん周りのものを失うと考えてしまったら、どうしようもなく亜蓮を取り戻したくなったそう。両思いでもこんなにお互いの思いが噛み合わない状態が続くと、さすがに成功しないのでは……と思ってしまったが、優が亜蓮を連れ出した先に寛がスタンバイして想いを伝えるという、ベッタベタな展開を経てついにプロポーズ成功! おめでたい!2人を邪魔しないようにそっと場を離れる優の優しさも沁みる。第4話、個人的“ワダカン”の名言が飛び出した。「取り戻せないことのために足掻いて躓いてはならない」母・りえ(小池栄子)の死について、そして父・秀平の行動について自分の気持ちに自信を持てなかった優への言葉だ。戸惑う優に対して、ありのままでいいと声をかけた。優は優しい性格だが、やや頼りないような部分がある。一方で寛は頑固な部分もあるが、和田家を引っ張る存在でもある。実際、寛の発言から食卓が盛り上がることも多いのだ。初印象は「ただの頑固なおじいさん」だったが、今となってはすっかり和田家を引っ張るなくてはならない存在だ。優も寛の言葉に納得したようだったし、やっと一安心……したいのは山々だが、第4話にも不安な空気は流れていた。国土交通大臣の清宮恭介(高橋光臣)に対して秀平が自己紹介した際に、清宮は“和田”という名前に反応していた。そして何よりも清宮に対する秀平の眼光の鋭さが今後の展開を匂わせているように思える。秀平はりえが事件にのめり込んでいたことを間近で見ていたからこそ、そして夫であるからこそ、一度抱えてしまった復讐心とも言える感情は消せないのだろう。だが、秀平がいま大切にするべき存在は目の前にいるはず……。筆者が好きな作品のとあるシーンで「恨みつらみで動く人間の視野がどれだけ狭まってしまうのかよく知ってる」というセリフがある。(少し意訳)まさに秀平の表情がそのものズバリで、正直いまは優よりも秀平のことが心配になってしまう。そんな時に、少しでも和田家の食卓が癒しになっていたらいいなと思う。※この記事は「和田家の男たち」の各話を1つにまとめたものです。→元記事はこちら→目次へ戻る

第5話ストーリー&レビュー

→「和田家の男たち」画像ギャラリーへ和田寛(段田安則)の恋バナを題材に記事を書いた優(相葉雅紀)だったが、思うようにビューが伸びず三ツ村翔星(正門良規)から扱う題材について指摘を受けてしまう。さまざまな記事内容を提案するも、「ユーザーの好みに合わない記事を出すのは書き手の自己満足でしかない」とあしらわれ…。そんな優のもとに、ある日ネットニュースサイト『ニュース・チェイス』編集部の片岡直樹(野間口徹)から連絡が来る。奇しくも『バズとぴ』の方針に疑問を抱いていた優。寛からは「不義理をしても羽ばたいたほうがいいときはある。波に乗らないでどうする」と背中を押され、片岡に会ってみることに!すると、思いがけず『バズとぴ』での記事を絶賛され、“専属契約”まで提示された優の心は大きく揺れ動き…?そんな中、優の異変に気付いた志麻さと美(石川恋)が和田家にやってくる。転職に悩んでいることを告白しつつも、「三ツ村を裏切るのが…」と迷いを見せる優に、志麻は意外な言葉を。その言葉をきっかけに、優は『ニュース・チェイス』への転職を決意する!その頃、虫歯の痛みに苦しんでいた秀平(佐々木蔵之介)は、仕事の合間を縫ってようやくデンタルクリニックへ。治療後すぐに会社に戻りたい秀平だったが、突然現れた女性・岸文子(堀内敬子)が順番を譲ってほしいと懇願してきて…?第5話、ライター&編集者として働く筆者の心にも突き刺さる回だった。「専属契約でコラムを書きませんか?」筆者の周りにいるライターの間でも、「専属契約で記事を書いている」という話はあまり聞かない。ライターにとって複数の媒体と契約することは珍しくないので、むしろ珍しい“専属契約”という単語に嫌な予感がした。(同じように反応してしまった同業者も多いのではないだろうか……)さらに「ニュース・チェイス」の編集者、片岡直樹を演じるのが野間口徹……。名バイプレイヤーとして大活躍しているのは言うまでもないが、このタイミングでこの配役はもう「これから嫌なことが起こりますよ」という宣言にしか聞こえない。お約束通り嫌な予感は的中した。「ニュース・チェイス」に転職して順調に記事のPVを伸ばしていた優(相葉雅紀)だが、とある記事がネットで大炎上。炎上した記事は優が「ニュース・チェイス」で初めて執筆した記事で、あまり数字が獲れていないと判断されたものだった。片岡は釣りタイトルを使用して記事を炎上させPVを稼ぐ、いわゆる「炎上商法」を使ったのだ。もうこのあたりで心臓が痛い……。確かに編集者はライターの記事をより多くの人に読んでもらうため、タイトルも試行錯誤する。とはいえ、片岡はライターに全く寄り添わず記事を炎上させたうえで、何事もなかったかのように振る舞うのだ。もはや怖い……。少ない出番で不気味さをしっかり出した野間口徹、恐ろしい。(褒めてる)せっかくのテレビ出演も、炎上した記事に気をとられて失言してしまい失敗……なんと生放送で。テレビ出演しながらも、表情はどこに出しても恥ずかしくないほどの“虚無”だった。「相葉雅紀=キラキラの笑顔」のイメージも強い。つい最近も『ARASHI 5×20 FILM』にて劇場の大画面で相葉くんの笑顔を浴びていたので、余計に虚無顔の印象が強く残った。優にとっては文字通り踏んだり蹴ったりの第5話だが、悪いことばかりではない。三ツ村(正門良規)から「バズとぴ」に戻ってきてほしいと言われたのだ。三ツ村~~~!!! 今回も服装ド派手だけど良い奴~~~!!! 片岡との“編集者”としての対比もあって、三ツ村が光り輝いて見える。表には出さないけど、優を心配するような表情や、チャラそうに見えても仕事はできそうな絶妙な塩梅……毎話の登場時間はそこまで多くないけど、Aぇ! groupの正門良規くんの存在感が確実に増しているように思う。優は自身のことを「何やってもダメだった」と言っていたが、バズとぴで得た経験や縁は間違いなく優が掴み取ったもの。第5話では一気に転落したけど、周りとの関係性も深まった大事な話だった。※この記事は「和田家の男たち」の各話を1つにまとめたものです。→元記事はこちら→目次へ戻る

第6話ストーリー&レビュー

→「和田家の男たち」画像ギャラリーへ路食品グループの代表・山路有美(かとうかず子)の失踪事件がワイドショーや週刊誌を賑わす。和田秀平(佐々木蔵之介)が総合プロデューサーを務める『フロンティアニュース』では、週刊誌の後追いはしない主義の秀平とスタッフの間で意見の対立が…。そんなある日、秀平は数日前にデンタルクリニックで出会った女性・岸文子(堀内敬子)と再会する。実は文子は、以前に寛(段田安則)に関する「ワダカン、未だ衰えず」という記事を配信した『週刊アスタ』の編集長だった! 秀平が寛の息子だと知った文子から、『週刊アスタ』内の“家族の肖像”というコーナーへの登場を打診され、秀平は「ありえない」と一蹴するが、寛が勝手に取材を引き受けてきてしまう!一方、ヘッドハンティングされ一時は別のネットニュース媒体に移っていた優(相葉雅紀)は、無事『バズとぴ』に復帰。さっそく“話題の町中華”の取材に出かけることになる。寛から、駆け出しの頃によく行っていた中華料理店で毎日冷やし中華を食べていた、という話を聞いた優は、その店を取材することに。店を訪れた優は、ひとりで切り盛りする店主の幸子(梅沢昌代)の忙しそうな様子に、思わず手伝いを。優の取材をきっかけにとんでもない事態へと発展していく…!第5話で記事が炎上、失敗を経験した優(相葉雅紀)。第6話は優の成功体験が映し出されていた。バズとぴに復帰し、取材先として選んだのは祖父・寛(段田安則)が昔通っていた、“冷やし中華しか出さない”という中華屋。が、取材しようと訪れた先で店主の幸子(梅沢昌代)が忙しそうに働いているのを放置できずに手伝いをするのだった。(そういえば、盆栽の取材先でも断りきれずに手伝いをしていた)バズとぴに復帰したからといって、穏やかな日常が待っているわけではなかった。取材した中華屋の店主・幸子が倒れた。幸子からの苦しそうな電話で駆けつけた優は病院に付き添い、病院に現れた幸子の妹の存在によって第6話の物語は大きく動く。幸子の妹は、失踪騒動で世間の話題になっている山路食品グループの代表・山路有美(かとうかず子)だったのだ。有美は優を拒絶しようとしたが、優は去り際に有美と有美の夫を気遣う様子を見せた。後日、有美は失踪の真実を優の前だけで取材として語った。病院での有美は、失踪騒ぎによって気が立っていたことに加えて「記者」というワードに反応したため優を拒絶したのだろう。しかし、優の気遣いが有美の心をほぐしたのだ。優は心優しく、少しお節介な性格だ。お節介な性格は時に悪い結果を招くこともあるだろう。だが、取材中の優の目は柔らかく、真っ直ぐだった。その真っ直ぐさは相手にきちんと伝わるのだ。相葉雅紀は本当に真っ直ぐな役が似合うし、上手いと思う。「和田家の男たち」で演じている優も、本人自身も年齢を重ねて深みと経験が出ている。それでもなお、純粋で真っ直ぐな役が似合う。彼自身が積み重ねてきた雰囲気の好感さによるものなのだろうか。ドラマは次回から最終章に突入する。個人的には週刊誌の編集長と交際をスタートさせた父・秀平の動向も気になる。(純粋に恋愛を楽しむタイプには見えないのだ)※この記事は「和田家の男たち」の各話を1つにまとめたものです。→元記事はこちら→目次へ戻る

第7話ストーリー&レビュー

→「和田家の男たち」画像ギャラリーへ『週刊アスタ』の“家族の肖像”グラビアをきっかけに、和田家の周辺は再び慌ただしさを見せ始める。秀平(佐々木蔵之介)は岸文子と付き合い始めることになり、優(相葉雅紀)のもとにはグラビアを見たという戸倉ほのか(宮澤エマ)から「今度またおうちにお邪魔したいな」という連絡が…。自分のことを振った彼女がなぜ今さら…、と思う間もなく、さっそくほのかが和田家を訪ねてきてしまう!“いろいろあった”ほのかの突然の来訪に戸惑う優、秀平、寛(段田安則)。優の恋心は、ほのかと志麻さと美(石川恋)の間で揺れ動くことに…?そんな中、『週刊アスタ』のスクープで清宮恭介国土開発大臣(高橋光臣)に、違法献金疑惑が持ち上がる!『フロンティアニュース』で清宮の疑惑を追い始めた秀平は、26年前から続く清宮との因縁に、再び向き合うことに…。やがて秀平は26年前のりえ(小池栄子)の死の真相を知る人物にたどり着く。そして、秀平と優は、ついに衝撃の事実を知る!最終回を目前に控えた第7話。正直、これまでのどの話よりも緩急の差が激しくて、まるでジェットコースターに乗っているかのように急展開を迎えた。7話の前半で優(相葉雅紀)や秀平(佐々木蔵之介)の恋バナでホクホクしていたかと思いきや、週刊アスタが国土開発大臣・清宮恭介(高橋光臣)の不正疑惑をすっぱ抜いたことをきっかけに物語は大きく動く。清宮との因縁は気になりつつも、最近の「和田家の男たち」は比較的安心した気持ちで観ていた。記事の炎上を乗り越え、成長した優を見守りながら彼の作る料理をじっくり観察する余裕もあった。(“塩ひとつまみ”を“塩ひとつかみ”と勘違いしていた相葉雅紀が、今やすっかり料理姿が板についていることにしみじみする余裕すらあった)優のことをひどく振っておきながら、「今度またおうちにお邪魔したいな」とアポなしで家を訪ねてきた戸倉ほのか(宮澤エマ)には若干嫌気が差したが、恋愛面でも優の成長を確認できたと思う。ほのかの強気で大胆な行動に“いつも通り”押され気味だったが、最終的には「気になる人がいる」とほのかに告げたのだ。お人好しすぎる優の性格を考えれば、ほのかの大胆な行動に流されなかっただけでも成長したと思う。しかし、肝心の意中の相手である志麻さと美(石川恋)との恋路はまだまだ道半ばらしい。成長したとはいえ、恋愛面ではまだまだ不器用なようだ。お願いだから、最終回はぜひハッピーエンドで恋も報われてほしい……!第7話後半の急展開も目が離せなかったが、今回しっかり注目したいのは優が秀平のもとにお弁当を届けたシーン。優は父親のために、父が大好きなおかずをお弁当に詰めて、温かいお茶や汁物とともに届けた。あまりにも健気……100万点!また父・秀平が岸文子(堀内敬子)の電話のために席を外している間、お弁当と汁物に蓋をして水筒のお茶を淹れて秀平を待っていた。秀平が席に戻るとさりげなくお弁当の蓋を外し、父がすぐに食事を再開できるように計らったのだ。100億点……! この一瞬のお弁当のやり取りに“和田優”という存在がぎゅっと凝縮されていた。そんなことされたら惚れてしまう。清宮恭介の秘書の居場所を突き止め、話を聞きに向かう秀平と優。このあたりから雰囲気はずっしりと重い。前半と後半で全く色が違う。清宮恭介の秘書の口から語られたのは、現在の清宮の“不正”と過去の清宮の”罪”だった。不正については憔悴した様子ながらも淡々と語っていた秘書だが、清宮の罪を語る際は震えて辛そうだった。優の母・りえ(小池栄子)は清宮隆三の政治不正を追って消されたのではなかった。真相は、若き日の清宮恭介が起こした事故について本人に迫った結果、殺されてしまったのだった……。決して計画的犯行ではなく、突発的な感情の爆発による犯行だったように思える。りえの死の真相が語られ、詳細を記録するためにカメラを回した際の様子が印象的だった。カメラを回す秀平の隣に、りえがいた。秀平はりえの代わりに彼女の思いを継ぐ存在であり、秀平とりえは一緒にいるということでもあった。あの瞬間、秀平とりえは夫婦として、そして同じ報道人として一緒にいたのだ。真相を知った和田家の男たちが気持ちにどのように向き合っていくかとともに、清宮の今後も気になる。彼は今度こそ罪を償おうとできるのだろうか……(ここで思い返しておきたいが、このドラマはホームドラマである)。りえの死の真相を知り、視聴者としてもしんみりとした気持ちでいたところ、ドラマはいつもの朝食シーンを迎える。正直緩急の差があまりにも大きすぎてついていけない。朝食のメニューが頭に入ってこない。「どんなことがあっても食卓を囲む瞬間は平和である」というのは、ある意味和田家の家族としての絆がかなり強まっていることを示すものでもある。和田家の男たちが家族としてどのような最終回を迎えるのか、それぞれの男がどんな結末を迎えるのか。ぜひとも最終回はハッピーエンドを期待したい。※この記事は「和田家の男たち」の各話を1つにまとめたものです。→元記事はこちら→目次へ戻る

第8話ストーリー&レビュー

→「和田家の男たち」画像ギャラリーへついに母・りえ(小池栄子)の死の真相にたどり着いた和田優(相葉雅紀)と秀平(佐々木蔵之介)。26年前、りえを殺したのは現国土開発大臣の清宮恭介(高橋光臣)だったのだ! 秘書の証言をもとに真実を報道しようと動き出す秀平だったが、寛(段田安則)は、その結果秀平が窮地に立たされる可能性もあることを危惧。「秀平は矢面に立たされ、『フロンティアニュース』も終わるかもしれない」と忠告するが、秀平の決意は固く、とうとうその思いを尊重することに…。リスクヘッジのため、『週刊アスタ』の編集長・岸文子にも清宮の件を共有し、秘書の証言VTRの編集も自ら手掛ける秀平。そしていよいよ『フロンティアニュース』で清宮の罪を明らかにする日がやってくる…!一方、優と志麻さと美(石川恋)の関係にも新たな動きが。そして亜蓮(草刈民代)と結婚した寛も、亜蓮が「どうしても叶えたい」という願いを叶えてあげることに。秀平と文子の恋にも進展があり、和田家の男たちの恋もさらに加速していき…?最終回を迎えて、改めてすごいドラマを観ていたんだなと思った。政治・仕事・恋愛・結婚・家族……ドラマの中に自然と溶け込んでいて、観ている間にするっと入り込んでくる。あくまでもホームドラマの雰囲気を壊さずに、それでいてわざとらしくなく訴えてくるものがあったと思う。ーーーーー第8話は最終回というだけあって、1話の中に緊迫感も幸福感もぎゅっと詰め込まれていた。(第7話よりも緩急の差がすごかった)和田秀平(佐々木蔵之介)は密かに清宮恭介(高橋光臣)がりえ(小池栄子)を殺した事実を告発する準備を進めていた。だが、事前に事態を知ったフロンティアニュースの部下たちによって、秀平の目論見は阻止された。正直、観ていて本当に辛かった。秀平は極力番組に迷惑がかからないように、それでも和田家の人間として、報道人として行動しようとした。部下たちは秀平を守ろうとした。どちらも間違っていないのだと思う。第7話を観た時は「(フィクションだから)清宮に正義の鉄槌がくだされるのかも」と考えていたが、秀平の告発を止めたことがこのドラマらしいようにも思える。秀平は結局、清宮の違法献金疑惑に関する秘書の証言だけ残したテープを部下に託し、テレビ局を去った。部下が言った通り、秀平が違法献金疑惑だけ扱っていたらテレビ局を退職する必要なんてなかったのだ。たとえ自らのキャリアが絶たれたとしても、最後まで抗いたかったのだろう。あまりにもリアルで、あまりにも残酷だ。(フィクションだけど)告発に失敗した帰り道、優(相葉雅紀)は父親を直接迎えた。“こんな時は放っておくのが大人の優しさ”とは言っても、秀平はきっと救われただろう。大人な気遣いではなくても、“和田優”の性格と親子の絆を感じられて、筆者もちょっと泣いた。“和田家の関ヶ原”に敗れたとはいえ、いつまでも立ち止まってはいられない。優は志麻さと美(石川恋)とデートして関係を深める。詳細まで描かれていないが、微妙にすれ違っていた2人が仲睦まじく歩いているだけでもう嬉しい。そしてチラリとうつった「S」の刺繍……志麻が優の刺繍を受け入れたということは……深く突っ込むことは野暮だろう。ごちそうさま!祖父の寛​​(段田安則)は結婚した亜蓮(草刈民代)の「ウェディングドレスを着たい」という願いを叶えるために、自宅でプチパーティを開いた。ウェディングドレス姿の亜蓮はそれはもう美しく、寛が抱きつきたくなるのもわかる気がする。プチパーティで撮った和田家の男たちとパートナーの集合写真、これから波はあってもそれぞれに幸せな未来があることを教えてくれている気がする。もうハッピーエンドだ。秀平の告発失敗とそれぞれの恋を見届けて緩急の差で満腹になっていたが、まだ終わらない。結局、清宮は違法献金疑惑が世に出たことで大臣は辞めたが、議員辞職はしなかった。この辺りの描き方も、なぜかとてもリアルに思える。たとえ事実を握っていても、現実はそんなに単純ではなかったのだ。“正義”が下されるスカッと感を味わえなくとも、むしろリアルに思えて心地よかった。いつものように食卓を囲んでいたとき、別居婚を選んだ秀平に対して、寛が「あんた(優)と私(寛)と一緒にいたいんだよ」と言ったとき、「一緒にいたいんです」と返していたシーンが強く残っている。和田家の家族としての絆が固いという象徴であり、徐々に育まれてきた関係性を語っている瞬間だった。物語は一気に進んで1年後——優は「パズとぴ」で連載を始めた小説を書籍化してブレイク。立派な小説家になっていた。タイトルは「熱狂する男たち」。優の「本当に思ったことはフィクションでしか書けない」という考えには和田家での激動の日々が生きているのだろう。どことなく、このドラマの存在自体を指しているようにも思えた。優の在り方が反映されている文章なら、もっと大ヒットするに違いない。どうか現実でも書籍化を……!寛と秀平はあんなに嫌がっていたのに、結局2人でWebメディアを立ち上げており、しかも登録者120万人である。さすがは報道界の前線にいた親子といったところ。寛と秀平にWebメディアを立ち上げることを提案した優、何気ないけどナイス采配……!優の小説が70万部を突破、前髪を上げてビジュアル大勝利だった優、優をサポートしながら横で微笑む志麻、軽快にパソコンを操る寛、イキイキと働く秀平……などラストの短時間で詰め込みすぎて情報量に溺れそうになったが、和田家の男たちの仲の良さと明るい空気感だけはきちんと伝わった。きっと、これからも日本のどこかで和田家の男たちは楽しく食卓を囲むのだろう。どうかそうあってほしい。

こちらも注目!「優クンの台所」の魅力

ドラマレビューの際はストーリーを語ることに注力していたが、「和田家の男たち」に登場する料理はどれも魅力的なのだ。食事系ドラマではなくとも、飯テロ効果はばっちりである。ドラマを支えた料理を作っていたのはもちろん和田優(相葉雅紀)。彼のそつのない動きは見ていて違和感がなく、今回の役柄にもぴったりだった。長年「相葉マナブ」で鍛えた力がしっかりと出ていて、ファンであれば毎回目で追うのに必死だったと思う。彼は寿司も握れるスーパーアイドルなのだ。(以前書いた気がするが、塩ひとつまみを塩ひとつかみだと勘違いした過去が懐かしい)優が父親に差し入れたお弁当の「イカ団子」や最終決戦前に作った「ハムカツ」など、印象的な料理は多いが、特に「ミルクすき焼きマキアート」は忘れられない。料理の切り口からストーリーを振り返ってみると、優のその時の心情や優しさが詰まっていて別の面白さが見えてくる。(文:シネマズ編集部)※この記事は「和田家の男たち」の各話を1つにまとめたものです。→元記事はこちら→目次へ戻る

「和田家の男たち」作品情報

この家を覗けば“令和の日本”が見えてくる!?息子×相葉雅紀 《ネットニュース記者》父×佐々木蔵之介 《TV局報道マン》祖父×段田安則 《新聞記者》大石静が描く、マスコミ三世代男だらけの異色ホームドラマ 2021年10月期のテレビ朝日金曜ナイトドラマでは、相葉雅紀主演の『和田家の男たち』を放送。 息子は《ネットニュースの記者》、父は《テレビ局報道マン》、祖父は《新聞記者》――3世代がそれぞれ異なったメディアに携わっている“マスコミ一家”の「和田家」を舞台に、男だらけの家族が織り成す、【異色のホームドラマ】をお届けします!相葉雅紀、3年ぶりの連ドラ主演!コロナ禍で失業し、ネットニュース記者に転身!? 2018年10月期の金曜ナイトドラマ『僕とシッポと神楽坂』以来、3年ぶりに連続ドラマ主演を務める相葉。今作では、14年勤めた会社がコロナ禍で突然倒産し、デリバリーサービスの配達員に勤しむ37歳の男・和田優を演じます。 ひょんなことから、20数年ぶりに祖父・寛と再会を果たし、さらに疎遠になっていた父・秀平に「一緒に住まないか」と提案されたことで、なぜか3人はひとつ屋根の下で一緒に生活することに。デリバリー配達員を続けながら、和田家の家事全般を担っていたある日、大学の後輩のツテでネットニュース編集部の記者として記事を書き始めることとなり…? 同枠ではこれまでに、カメラアシスタントやバーテンダー、そして獣医師、とさまざまな役柄に挑んできた相葉。それぞれの作品において、相葉ならではのカラーでキャラクターに息を吹き込んできました。果たして今作『和田家の男たち』では、ネットニュースのライターという職業を通じて、《和田優》という青年をどう体現していくのか? その躍動の瞬間に今から期待が高まっています!相葉の父に佐々木蔵之介、祖父に段田安則 三世代のマスコミ一家を描く! さらに、相葉演じる和田優の父と祖父を、佐々木蔵之介、段田安則が演じることも決定! 優の父・秀平を演じるのは、ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍を続け、7月期の木曜ミステリー『IP~サイバー捜査班』での“スペシャリスト”ぶりも好評の佐々木蔵之介。テレビ局の報道番組『フロンティアニュース』の総合プロデューサーを務める秀平は、実は亡くなった優の母・りえの“再婚相手”。26年前にりえが亡くなって以来、血の繋がらない優を男手一つで育ててきました。しかしテレビ局の報道マンとして昼夜問わず忙しい日々を送っていたため、家の中の大抵のことは優がこなし、結果的に息子は家事一切が万能な青年へと成長。その後、大学卒業と同時に独立した優とは、別々に生活し、コロナ禍においてなんとなく音信不通になっていましたが、ひょんなことから再会し、一緒に暮らすことに…。 そして秀平の父で優の祖父・寛を演じるのが段田安則。『ドクターX~外科医・大門未知子~』や『半沢直樹』など、数々の作品で、圧倒的な個性と存在感を放ってきた段田が、今作では元新聞社の社長で現在は論説委員としてコラムを寄稿している、という“新聞界”のレジェンドともいうべきマスコミ人を演じます。 図らずも始まる独身男だらけの三世代3人暮らし――相葉に加え、実力派俳優である佐々木と段田がどんな家族の姿を見せてくれるのか、注目が集まります!脚本家・大石静氏が描く異色のホームドラマ…男だらけの“令和の家族の物語” 今作の脚本を担当するのは、『長男の嫁』、『ふたりっ子』など、数々のホームドラマを手掛けてきた、大石静氏。今春、大きな話題を呼んだ『あのときキスしておけば』からは一転、男ばかりの“令和の家族の姿”を描き出します。 新聞記者としての確固たる理念を持ち続ける寛、テレビの報道マンとして最前線で指揮を執る秀平、そして現代社会における情報ツールとしてもっとも身近であるネットニュースの記者になった優―― ひとくくりに「マスコミ」といえども、三者三様に、異なる職業倫理、価値観、矜持を持つ「和田家」の面々。そんな彼らが日々の食卓を主な舞台に、事件の大小を問わず、今何が問題なのか?それを伝えるマスコミとは何か?それぞれのメディアの立場から、意見を闘わせ、時代と対峙していきます。 さらに今作は、大石氏ならではの、テンポの良い会話劇も大きな見どころの一つ。3人の男たちが突然一緒に暮らすことになったきっかけ、そして優の亡き母・りえの死の真相にも、ある秘密が隠されているようで…? この秋、金曜の夜に新たに誕生する“マスコミ三世代、男だらけの異色ホームドラマ”。この困難な時代に再会し、多くの視聴者の方々同様、明日が見えない不安や疑問の毎日の中、奇しくも同じ「マスコミ」という職業につきながら、家族としての歩みを進めていくことになった3人の男たち。この「和田家」の面々に、是非ご期待ください!脚 本大石静ほか音 楽ワンミュージックゼネラルプロデューサー中川慎子(テレビ朝日)プロデューサー残間理央(テレビ朝日)本郷達也(MMJ)布施等(MMJ)監 督深川栄洋ほか制 作テレビ朝日MMJ

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