ハワイ語で「自由」を意味するカノア 父勉さんから説かれた教えとは? - サーフィン - 東京オリンピック2020 : 日刊スポーツ

沿って : Ilikephone / On : 23/07/2022

新競技のサーフィン男子で、五十嵐カノア(23=木下グループ)は悔しい銀メダルとなった。準決勝で優勝候補のプロ最高峰チャンピオンシップツアー(CT)年間首位に立つガブリエル・メジナ(ブラジル)に0・24点差で競り勝ち、台風接近のため続けて行われた決勝は、CT年間2位のイタロ・フェヘイラ(ブラジル)に8・54点差の6・60点(20点満点)で敗れた。試合後は、24年パリ五輪での金メダル獲得へ始動すると宣言した。

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五十嵐は常々、サーフィンをメジャースポーツにしたいと口にする。自営業の父勉さんから説かれた「プロサーファーではなく、プロアスリートになってほしい」という教えを胸に、自分がアイコン(象徴)になればと積極的に魅力を訴えてきた。

ハワイ語で「自由」を意味するカノア 父勉さんから説かれた教えとは? - サーフィン - 東京オリンピック2020 : 日刊スポーツ

我が子をサーファーに育てたかった両親は、五十嵐が生まれる前に大きな決断をする。カリフォルニア州のサーフィンのメッカ、ハンティントンビーチのほど近くに移住した。その後に生まれた息子に付けた名前は、ハワイ語で「自由」を意味するカノア。由来について、勉さんは「サーフィン発祥の地でも受け入れられるようになってほしいから」との願いを込めた。

五十嵐が3歳の誕生日にもらったサーフボードは750ドル(現在のレートで約7万9000円)と安くない。苦しい生活の中でも、競技に一心にのめりこむ息子のために支援を惜しまなかった。競技の枠にとらわれず一流と呼ばれるアスリートの振る舞い方を見せたいと、MLBで活躍していたイチローらの観戦に連れて行ったこともあった。

五十嵐は今もほかの競技の選手たちから刺激を受けている。「(NBAの)八村選手や(MLBの)大谷選手のファンになって競技を知り人がいるように、カノアのファンになってサーフィンを好きになってくれたらうれしい」。五輪で目指した目標には届かなかった。それでも結果以上に、最後の最後まで全力を尽くす姿が多くの人を魅了した。【平山連】