Apple SIMがGigSkyと組んで90の国と地域で利用可能に━━海外渡航時に安く使える選択肢が次々に登場:石川温のスマホ業界新聞

沿って : Ilikephone / On : 23/07/2022

 アメリカでLTE版iPad Air 2やiPad mini 3を購入すると「Apple SIM」が同梱されている。

 Apple SIMを挿入し、通信を行うと、AT&TやT-Mobile、スプリントが選択でき、プリペイドで現地のLTE通信環境を構築することができる。

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2015年7月4日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額525円)の申し込みはこちらから。

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 そのApple SIMが、GigSkyという通信会社と手を組んだ。これにより、90以上の国と地域で、通信が行えるようになったという。例えば、ドイツにiPad Air 2を持ち込めば、6000円で3GBの通信が行えるといった具合だ。

 ちなみにApple SIMは、iPadを購入しなくても、アップルストアで単体での購入が可能だ。実際に筆者も2014年12月にハワイのアップルストアで5ドルを支払って購入した。現在では世界10カ国でも購入できるようになったようだ(日本は対象外)。

 海外へ頻繁に出張や旅行をするのであれば、Apple SIMとiPadという組み合わせは結構、便利なのではないだろうか。iPad単体で使っても良いし、テザリングでスマホやパソコンを接続してもいい。残念ながら3G通信のみで、LTEには非対応のようだが、それでも現地に到着して、すぐにネットが使える環境というのは心強い。

 だが、ここ最近になって、海外での通信環境を実現する上で、新たな動きが出始めつつある。

 例えば、au版のiPhoneは、アメリカであれば、AT&TやKDDIの子会社であるH2OWirelessのSIMカードが使える「限定的SIMロックフリー」になっている。

 au宛の電話を現地のキャリアに転送できないため、IP電話にau宛の電話を転送する、あるいは過去に使っていたau版iPhoneを持って行き、2台持ちで片方は現地SIMカードによる通信専用、もう一方をau宛電話を受けるためにローミングで持ち込むといった工夫が必要となる。

 とはいえ、現地では格段に安く通信環境を手に入れられるので、auユーザーは試してみる価値があるだろう。

 また、ケイ・オプティコムでは9月からアイルランドのキュービックテレコムと協業し、約200の国と地域で使えるプリペイドデータSIMカードを提供する予定だ。

 これまでは「スマホのローミングサービス」あるいは「空港でルーターを借りる」というのが定番であったが、この夏以降は、様々な選択肢が出てきたことで、さらに海外での通信環境が快適なものになりそうだ。

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