Engadget Logo エンガジェット日本版 ノートPCも有機ELが当たり前!ASUS「ZenBook 13 OLED UX325EA」のコスパが良すぎて即買いレベルだった

沿って : Ilikephone / On : 25/06/2022

近年、有機ELディスプレイ(OLED)を採用したテレビやスマホ、そしてノートパソコンなどが増えてきています。液晶とは違いドット単位で発色するため、高画質・高コントラスト比を実現でき、より鮮明な映像が楽しめる一方、やはりそれなりのお値段になるため、予算を踏まえてチョイスしている人も多いでしょう。

そんな中、ノートパソコンへOLEDを積極的に採用しているのがASUSです。OLED搭載=ハイエンドモデルという従来の図式を覆し、ミドルレンジの実売10万円を切るモデルにも採用を進めており、手が届きやすい価格帯のモデルを用意しているのが特徴です。

6月30日に発売された「ZenBook 13 OLED UX325EA(UX325EA-KG409TS)」もその1つです。第11世代インテルCore i7プロセッサーを搭載し、メモリー16GB、ストレージ1TB SSDでMicrosoft Office付きながら、18万円台を実現。今回は、OLEDの魅力を紹介しつつ、本製品をレビューしていきます。

圧倒的な“深黒”がOLEDの特徴

すでにスマホなどでOLEDを利用している人には釈迦に説法かもしれませんが、改めてOLEDの特徴についてお話しておきましょう。

まずはおなじみの液晶ディスプレイ。こちらは1ドットごとにRGBフィルターがあり、バックライトの明かりによって発色していますが、フィルターとバックライトの間に液晶を挟み、RGBごとで液晶にかける電圧を変化させることで光の透過率が変わり、さまざまな色を表現しています。

一方のOLEDは、1ドットごとに構成されるRGBの素子自体が発色するため、バックライトを使わずにさまざまな色が表現できます。

バックライトに頼るか、自ら発光するかが液晶ディスプレイとOLEDとの大きな違いですが、この違いは表現する色にも影響を与えています。特にわかりやすいのが黒です。液晶ディスプレイの場合、液晶がバックライトを遮断することで表現するのですが、どうしても光が漏れてしまい、真っ黒とはいきません。その点、OLEDは発光しなければ黒になるので、基板の色を黒くしておけば真っ黒を表現できます。液晶ディスプレイと並べてみてもその差は歴然です。

そのためOLEDは高いコントラスト比が実現できます。「ZenBook 13 OLED UX325EA」のディスプレイの場合は100万:1のコントラスト比で、ピーク時最大400nitから0.0005nitの超低輝度まで対応します。

最近では、液晶ディスプレイのバックライトを分割してミニLED化し、表示する映像によって部分的に明滅する仕組みを取り入れ、よりコントラストを高めた製品も出てきています。それでもOLEDのようなドット単位ではないので、映像の種類によってその効果は左右されてしまいます。

また、色域においても本製品はプロフェッショナルクオリティーであるDCI-P3で100%の色域を実現。またsRGBでは133%の色域に対応しているだけでなく、PANTONE認証も取得しており、精細な色再現性を備えたディスプレイとなっています。

特にOLEDは、低輝度でもDCI-P3色域100%を維持できているのが液晶ディスプレイとの違いで、暗部での微妙な色の違いもOLEDではしっかり表現できます。

加えて、目の疲れや不調を引き起こしたり睡眠の質を乱すと言われるブルーライトも大幅にカットされています。素子に利用される材料の性質により、液晶ディスプレイで使われるLEDに比べて約70%低減しています。これは、有害な波長とされる440nm付近ではなく、害の少ない460nm付近にシフトしているためで、色の精度を保ちつつブルーライトを低減させているのです。

「ZenBook 13 OLED UX325EA」を起動するだけでもその違いに気が付くはずです。OLEDだと色表現も豊かで視認性も高く、輝度も高いので最高輝度に設定すると、ちょっと眩しいと感じるほど。技術や安全に関する認証機関のテュフ ラインランド(TÜV Rheinland)やSGSによってブルーライト低減とフリッカーフリーの認定も受けており、プロフェッショナルレベルのクリエイティブな作業に対してはもちろんですが、画面が非常に見やすく目の疲れを軽減し作業しやすい環境にしてくれます。

薄くて軽くて持ち運んで使いたい

続いてディスプレイ以外の部分をチェックしてみます。「ZenBook 13 OLED UX325EA」は本体カラーがパイングレーとなり。天板はZenBookシリーズの象徴であるロゴを中心とした同心円状のヘアライン加工が施されています。ボディ側のエッジはダイアモンドカットにより上質なデザインです。

304×203×13.9~14.9mmのサイズで重量1.14kgと、薄くて軽量なアルミニウム合金のボディは、持ち運びやすいサイズ感ながら、MIL-STD 810G軍用規格準拠の複数項目をクリアする堅牢性も備えています。

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天板を開くと、スリムベゼルのデザインによりOLEDによる濃淡のしっかりしたクリアな画面が目の前に広がるような感覚に。画面サイズは13.3インチで、フルHD解像度のグレア仕様。色域やコントラスト比などは前述の通りで、応答速度は0.2ミリ秒とかなり高速です。リフレッシュレートは60Hzですが、残像感はありません。

ディスプレイ上部にはWindows Helloに対応した92万画素のIRカメラを搭載。従来モデルよりも大きなカメラセンサーを搭載することで、画質や顔認証の認識速度が向上。テレワークでのWeb会議にも活躍してくれます。Microsoft アカウントのロックを解除して、Microsoft の世界を開いてください。 (Windows Hello を使用して、Outlook、Skype、Microsoft Edge、Bing、OneDrive、Xbox に瞬時に安全にアクセスすることができます。※指紋リーダー、照射型赤外線センサー、その他の生体認証センサーなどの特殊なハードウェアと対応デバイスが必要です。 Microsoft アカウントでロック解除可能なアプリはこちらで確認できます)

加えてアレイマイクも搭載。ASUS独自のAIノイズキャンセリングテクノロジーにより、雑音と人間の声を識別し、不要な雑音のみを取り除いてくれます。また、Harman Kardonの認証を受けたサウンドシステムを備え、クリアな音楽が聴けるだけでなく、ノイズキャンセリングを施した声だけがボディ底面にあるスピーカーから発せられるので、Web会議が捗ることでしょう。

キーボードは、ボディ幅いっぱいを使っており、キーピッチ約19mmと13インチサイズながらタイピングしやすい間隔が確保されています。さらに右端1列には電源、Home、PgUp、UgDn、Endキーを配置。この1列以外はクセのない配置で、キーストロークも約1.4mmあり、慣れてしまえばタイピングしやすいはずです。

天板を開くとキーボード面が約3度傾斜するエルゴリフトヒンジを採用するのもポイントです。タイピングしやすくなる効果だけでなく、給気口部分に空間が生まれるので冷却性能の向上にもつながるほか、底面にあるスピーカーからの反響音による音質向上にもつながっています。

CPUは第11世代インテルCore i7-1165G7(2.8~4.7GHz)プロセッサーを搭載。容量16GBのメモリー、容量1TBのSSD(PCI Express 3.0×2)と余裕のあるスペック。通信機能はWi-Fi 6、Bluetooth 5.1に対応しています。

インターフェイスは、薄いながらも充実していて、右側にUSB3.2 (Standard-A/Gen1) ×1とmicroSDメモリーカードスロットを。左側にはThunderbolt 4 (Type-C) ×2とHDMI×1を用意。HDMIとUSB Standard-Aがあることで、ビジネスユースには嬉しい仕様です。

バッテリー容量は67Whで、駆動時間は最大約13.5時間(公称値)と比較的長め。同梱されるACアダプターは、Type-C端子へ接続する小型タイプなので持ち歩きも苦になりません。さらにモバイルバッテリーでも充電可能なため、外出先での作業が多い一日でも、ACアダプターなしでいけそうです。

TigerLake世代の性能を発揮

せっかくなので簡単にいくつかのベンチマークテストを走らせてみました。

計測にあたっては、「MyASUS」アプリでファンモードを「パフォーマンスモード」にし、Windowsの電源モードを「最も高いパフォーマンス」に設定しています。

まずはCPU性能を測る「CINEBENCH R23」を実行。結果はマルチコアで4218pt、シングルコアで1425ptと4コア/8スレッドでTDP28WというCPUの性能を十分発揮しています。

アプリケーションの動作性能をチェックする「PCMark10」も計測してみました。結果は4879と、GPUを搭載していないノートパソコンとしてはかなり良好。「インテルIris X グラフィックス」は、軽めの3Dゲームやクリエイティブな作業でも十分こなせそうです。

価格を抑えつつ性能も妥協しないOLED搭載スリムノート

OLEDの画面を一度体験してしまうと、その見やすさと豊かな色調表現から普通の液晶ディスプレイには戻れなくなってしまうかもしれません。

良いことずくめなOLEDですが、1つ心配な点を挙げるとすればそれは画面の焼付き。液晶と違いドット単位で発光するため、同じ画面が続くと部分的に素子の劣化が進んでしまい、画面全体で発色が均一にならず、残像のように見えてしまう現象です。

ただ、本製品に搭載されるOLEDは、もともとそうした現象が起こりにくいよう対策されているうえ、ASUS独自のOLEDケアメカニズムが用意されています。たとえば、一定時間アイドル状態だと自動的に独自のスクリーンセーバーが作動。同じ画面が続かないようにし、焼付きの可能性を大幅に軽減してくれます。

また、Windows 10そのものにもダークモードが用意されているので、メニューやウィンドウなどの輝度を抑えてくれるほか、タスクバーを自動的に隠したり、付属の「myASUS」アプリから、タスクバーの透過率を変更したりできるので、いろいろとディスプレイを保護する対策をしていれば、まず焼付きは起こらないでしょう。

「ZenBook 13 OLED UX325EA」は、今回紹介したCore i7モデルのほか、Core i5-1135G7プロセッサーを搭載し、16GBのメモリーに512GBのSSDを内蔵したモデル(16万円台半ば)もあり、予算に合わせて選択できます。

コロナ禍で、打ち合わせも会議も仕事もプライベートも、画面を見続ける時間が確実に増えています。この事態が収束したとしても新しい生活スタイルは残っていくはず。やはりPCは、極力目に負担をかけない、OLEDのような見やすくて目の疲れを低減してくれるディスプレイを搭載したマシンを選びたいものです。そういった意味でも「ZenBook 13 OLED UX325EA」は、コストパフォーマンスに優れた最良の選択肢となるでしょう。