相続人の死後「預金通帳・カード」が発見できない場合の対処法【相続のプロが解説】

沿って : Ilikephone / On : 26/01/2023

相続人の死後「預金通帳・カード」が発見できない場合の対処法【相続のプロが解説】

だれにでも起こり得る「相続」。もしものときに備え、日ごろから知識を身に付けておきましょう。本記事では、相続コンサル法人である株式会社IBICが、相続の基礎知識について解説していきます。

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預貯金の解約・名義変更(1):被相続人の預貯金の把握

[図表]一覧の例

相続人の死後「預金通帳・カード」が発見できない場合の対処法【相続のプロが解説】

通帳・カード、銀行や証券会社からのお知らせを一覧にしましょう。ひととおり預貯金の銀行、支店、口座番号等が把握できたら、(2)に進みます。※預貯金残高は、預金の凍結がされておらず記帳できるようであれば記帳してみましょう。※もしすべての通帳・カード等があるかどうか分からない場合や、ひとつの銀行預金通帳がある場合でも他にも口座がある可能性がありますので、(2)に進みます。

預貯金の解約・名義変更(2):銀行の窓口に行く

まず、手元に通帳・カードがある銀行の窓口で残高証明書の発行を請求します(死亡日現在の残高)。同一の銀行で複数支店の口座がある場合でもひとつの支店で発行してもらえます。口座がまだ凍結されていない場合は、このときに銀行が被相続人の死亡の事実を確認したことになり、この時点で必ず口座が凍結されます。銀行窓口で残高証明書を請求する際には、併せて「名寄せ」をしてもらいましょう。名寄せをすると、相続人が把握していない被相続人のその他の口座、出資金、貸金庫の有無が把握できる他、融資などの借入金といったマイナスの財産が分かるので、記載された以上の取引がないことを確認できます。これによって手続きをするべき財産漏れを防ぐことができ、相続人や税務署が正確に確認できる資料になります。

どうして残高証明書を請求する必要があるのか

[図表2]残高証明書の請求に必要な書類

残高証明書が相続手続きで必要になるのは「相続税の申告が必要なとき」と「通帳などが紛失していて預金を確認するとき」、あるいは「相続人間で相続財産額の確認の資料とするとき」などです。残高証明書は、相続が発生した日現在のその金融機関にある被相続人の口座の残高がすべて記載された書類です。通帳があれば残高は分かるような気がしますが、相続税の申告の際には根拠資料とするために必ず残高証明書を入手する必要があります。金融機関では、各通帳の取引履歴を過去にさかのぼって取得することができます。もし特定の相続人が被相続人と同居する中で、預貯金の引き出しを勝手に行っている場合や、また相続税の申告が必要な場合においては、過去数年の贈与の状況などを確認するため等、履歴を取得しておくと便利なときがあります。取引履歴請求に必要な書類は[図表2]の残高証明書の添付書類と同様です。◆通帳・カードが見つけられない場合の対処法図表2「残高証明書の請求に必要な書類」の(1)(2)を持って、心当たりのある銀行を回りましょう。例えば、被相続人の住居の近くの支店やよく出かけていた場所等の近くにある銀行の支店などです。もしその銀行の異なる支店に口座があったとしても大抵の銀行は自行内の預貯金の有無は端末で照会できるシステムになっています(できない金融機関も一部あるようです)。

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