「借金の返済をしてあげる…」職場で部下とパパ活、後になって「セクハラ」と関係悪化

沿って : Ilikephone / On : 21/09/2022

「借金の返済をしてあげる…」職場で部下とパパ活、後になって「セクハラ」と関係悪化

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画像はイメージです(mits / PIXTA)

「借金の返済をしてあげる…」職場で部下とパパ活、後になって「セクハラ」と関係悪化

体の関係を持つ代わりに部下の借金を立て替えたら部下から慰謝料請求された。このような相談が弁護士ドットコムに寄せられています。相談者の部下には100万円の借金があり、部下のために借金を立て替えました。しかし、その条件として、相談者は部下に性的関係を求め、3万円を支払っていました。やりとりは全てLINEに残っています。しかし、そんな関係はある日、終わりを告げました。部下から「性行為の強要とストーカー行為で職場を異動して欲しい」と要求されたのです。相談者は性行為の強要等はなかったと考えていますが、相手方がそう思い込んだら強要等の主張が通ってしまうのではないかと不安を抱えています。相談者は相手方の主張を受け入れなくてはいけないのでしょうか。瀧井喜博弁護士に聞きました。●性的関係の強要、セクハラに該当する可能性は?ーー相手側からの要求にこたえる義務はあるのでしょうか。相談者にその意思がなくても強要は成立しますか。まず、慰謝料請求について、(1)性的関係の強要、(2)セクハラに該当する可能性を、それぞれ検討します。(1)性的関係の強要については、相談者と相手方の間で形式的に性行為の合意があったとしても、両者の置かれた状況や借金立替えの約束に至る経緯から、性的関係を強要しているとして慰謝料の支払い義務が生じる可能性があります。性的関係を強要したと判断される具体的な例として、経済的な困窮から性的関係に応じざるを得ない等、断れない状況につけ込んで性行為に及んだと評価できる場合が挙げられます。もっとも本件とは異なり、例えば、相手方の側から相談者に対して積極的に提案し、相談者がその提案に応じたような場合には、強要にあたらず、慰謝料は発生しないと考えられます。(2)セクハラに該当する可能性については、性的関係の強要そのものに当たらなかったとしても、相談者と相手方の関係が上司・部下ということから、相談者の行為がセクハラに該当する可能性があります。相談者が上司としての立場を利用して積極的に性的関係を求めた場合にはセクハラに該当する可能性が高いです。他方で、本件とは異なり、相手方が金銭との引き換えに性行為を行うことを積極的に提案していた場合にはセクハラには該当しない可能性があります。●異動しなくてはいけない?ーーでは、相手方からの職場異動の要求に応じる必要はあるのでしょうか。どの社員をどの部署に配置するかといった人事権は会社にあります。そのため直ちに相手方の要求に応じる必要はありません。しかしながら、借金を立て替える等して金銭を支払った見返りに部下と性行為をしたことについて、会社の信用を失墜させる行為等として会社から処分を受ける可能性はあります。会社による適切な人事権の発動として異動を命じられれば、相談者は応じざるを得ないと考えられます。●立て替えてあげた100万円を行方は?ーー相手方が同意しても肉体関係の代わりに借金を立て替えるということが公序良俗違反に該当しますか。最初に相談者が返済した100万円を相手に請求した場合、相手側が相談者に返済する義務はあるのでしょうか。相手方が相談者との間で性的関係を持つことに同意をした場合であっても、性的関係を条件とする借金の立替払契約は、性道徳に反し社会的妥当性を欠くものとして、公序良俗に違反する可能性が高いです。過去の裁判例でも、愛人関係を約束した契約や、性的関係の継続中は返済を求めない約束でお金を貸すとした契約は、公序良俗に違反するものとして無効とされています。●立替金100万円の行方は?ーー相談者は部下の借金100万円の立て替えをしていますが、相手にこの支払い分を返還させられるのでしょうかこれは部下に代わって一時的に借金を返済したものであり、後から部下に返還してもらうことを予定したものといえます。しかし、上記のように、性的関係を条件とした借金の立替払いは公序良俗に違反し無効となる可能性が高いです。契約が無効である場合には、相手方は相談者に対して100万円の返還義務を負いません。ーーこの借金の立替払契約が無効であれば、どうなるのでしょうかその場合は、相手方は契約に基づかずに100万円の利益を受けていることになります。そこで、相談者は、相手方に対して不当利得の返還を求めることが考えられます。しかしこの100万円の立替払いは性的関係を対価として行われたことから、社会的に要求される倫理や道徳を無視したもので、いわゆる「不法原因給付」に当たる可能性が高いと考えられます。この場合には相談者から相手方に対する100万円の返還請求は認められません。このような事情から、相手側は100万円の返還義務を負わない可能性が高いと考えられます。なお、相談者と相手方は、同じ会社の上司と部下の関係にあります。相談者の行為が部下へのセクハラに該当する場合には、相談者は会社から降格や出勤停止等の懲戒処分を受ける可能性も考えられます。また、性的関係の強要があった場合には、相手方が警察に相談に行く可能性があります。今回の相談者の態様では犯罪が成立する可能性は低そうですが、性行為の強要やセクハラの態様によっては逮捕されたりや刑事罰が科される可能性もあります。相手方の慰謝料請求に対しどの程度まで応じるべきか、会社の処分が適正であるか等、ご不安なことがあればまずは弁護士にご相談ください。【取材協力弁護士】瀧井 喜博(たきい・よしひろ)弁護士「あなたの『困った』を『よかった』へ」がモットー。あらゆる「困った」の相談窓口を目指す、主に大阪で活動する人情派弁護士。自由と自律性を押し出す新しい働き方、ずば抜けて楽しい職場環境の構築、拡大を目指して、日夜奮闘中。事務所名:弁護士法人A&P 瀧井総合法律事務所事務所URL:http://takiilaw.com/

弁護士ドットコムニュース編集部

最終更新:弁護士ドットコムニュース