ディズニープラスが目指すもの 新ブランド「スター」でも貫くディズニーらしさとは? (1) | マイナビニュース マイナビニュース マイナビ

沿って : Ilikephone / On : 22/10/2022

ウォルト・ディズニー・ジャパン代表取締役社長のキャロル・チョイ氏

さらに10月14日に行われた「APAC コンテンツ・ショーケース」では、日本、韓国、グレーター・チャイナ(中国、香港、台湾)などアジア太平洋地域の優秀なクリエイターたちとディズニーが手を組んだ、オリジナルのコンテンツも「スター」で配信されることが発表された。今年8月には、世界の加入者数が1億1,600万人に達するなど、ますます勢いを増すディズニープラスの今後について、ウォルト・ディズニー・ジャパン代表取締役社長のキャロル・チョイ氏に話を聞いた。

確固たるブランド力を持つウォルト・ディズニー・カンパニーが、動画配信サービスに参入し、アメリカでディズニープラスがスタートしたのは2019年11月。そこから先述した5つのブランドの豊富なコンテンツを駆使し、世界中のファンを魅了してきた。さらには20世紀フォックスの買収により得た映像作品をはじめ、オリジナル作品までを含め「スター」ブランドとして配信するというのだ。

「まず『スター』というブランドは、消費者のニーズにこたえるものなんです。英語が母国語ではない国では、どうしてもローカル言語のコンテンツが求められます。ただ、既存のブランドにはそれぞれ意味があり、消費者はそのブランドに期待を持っています。だからこそ、『スター』という新しいブランドで、日本の才能あるクリエイターと一緒に制作するローカルコンテンツを含め、いままでと違うゼネラル・コンテンツも提供し、消費者により多くの選択肢をご提供していこうという運びになったんです」。

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コンテンツのバリエーションが増えることは消費者にとって大きなメリットであることは間違いないが、ディズニーという唯一無二のブランド力が、希薄になってしまうという危惧はないのだろうか。

「ディズニーにとってストーリーテリング(物語性)は全ての“中心”にあります。また、ディズニーブランドは、ポジティブであること、希望やハピネスを大切にしています。ディズニーの本社があるカリフォルニア州バーバンクでは、必ずレビューセッションというものを行います。そこでディズニーが重要視する物語性やテーマに合うかどうかをしっかりと見極めることで、ディズニーの精神というものが、作品のなかに担保されていくんです。これはスター・ウォーズなど他のブランドも同様です」

夢や希望、幸せというテーマが一見存在していないような作品も、ストーリーテリングで表現方法は広がるというのだ。先日行われた「APAC コンテンツ・ショーケース」では、閉鎖的な村社会で衝撃のサスペンスが展開する二宮正明氏のコミック『ガンニバル』を実写ドラマ化することが発表された。一見、ディズニーブランドとはかけ離れたようなコンテンツにも感じられるが、しっかりとその物語性と質は担保されているという。

「我々が『スター』を配信するにあたり、なによりも大切にしているのは『グッドストーリー(素晴らしい物語)であるか』ということなんです。まずはそこが一番重要なこと。『ガンニバル』に関しては、原作の魅力はもちろん、脚本家もディレクターもトップの方々です。ストーリーテリングも一流であり、素晴らしい作品になることを期待しています。ディズニーブランドではなく、『スター』ブランドの中に入る作品です。もちろん、小さなお子さまがいるご家族が安心してサービスをご利用いただけるためにペアレンタルコントロールという機能も追加されます。とは言いつつ、仰るように、こうした作品は物議を醸すことになるかもしれません。でも今回の試みは始めたばかりのことなので、オーディエンスのリアクションをしっかり見て判断していくと共に、素晴らしい物語を伝えていくということを大事にしていきたいと思っています」