『ダイイングライト2 ステイヒューマン』レビュー Close IGN Logo Comments Comments Comments Comments

沿って : Ilikephone / On : 17/11/2022

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追記(22/02/04)

※本レビューは、Day 1パッチ適用前のゲーム内容について記述したレビューの翻訳記事のため、アップデート適用によって記載されている致命的なバグが解消する可能性がございます。なお、編集部でDay 1パッチを適用した状態でプレイした結果、日本語版ではセーブ破損やクラッシュといった致命的な不具合には遭遇しませんでした。読者の皆様、関係者の方々にご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。


さまざまな要素が絡み合った『ダイイングライト2 ステイヒューマン』では、奇妙でシュールな雰囲気を味わえる。重苦しいポストアポカリプスな設定ではあるが、面白おかしいキャラクターは大勢いるし、ビルからゾンビをクリケットバットで殴り落とすようなミニゲームもある。このような落差は激しいのにもかかわらず、非常に楽しい体験ができる作品である。ゾンビを殴っては斬るゲームである本作では、最高に楽しいパルクール移動で荒廃した都市を探索し、広大なオープンワールドでは存分に移動能力を活用でき、出てくるキャラクターも忘れがたい存在だ。しかし、「ダイイングライト2」を楽しく遊ぶには、数多くある深刻なバグの存在が立ちふさがってくる。またメインとなる主人公の物語は実につまらなく、存在価値が見出せないほどだ。

2015年に発売された前作『ダイイングライト』の方向性を引き継ぎ、「ダイイングライト2」では探索しがいのある巨大都市「シティ」が舞台となる。エキセントリックな生存者たちは建物の屋上に陣取り、パルクール、ガラクタ収集に工作、スポーツ用品を用いてのゾンビ退治といった技術をマスターしていた。ゾンビは日中の間は建物へと隠れているが、太陽の光がなくなった夜には外に出てきて街路はゾンビで満たされる。緊張を煽る最大の要素として免疫メーターが存在し、これを維持できなければ主人公もアンデッドと化してしまう。ほとんどの人類はすでにゾンビウィルスに感染しており、いずれ起こる変異を遅らせるには紫外線をほぼ常に浴び続けるしかない。ゲーム中は常に免疫度を回復させる必要があり、日光が届かない建物内にいれば数分でゾンビ化してしまう。『ダイイングライト』でも一瞬の間違いが命取りとなる冒険が楽しめたが、本作ではさらなるプレッシャーがあらゆる場面で加わってくる。

夜になれば、何をするにも気をつけて動かなければいけない。近くのオアシスの紫外線ライトへと戻り、免疫メーターを維持し続けなければいけないのだ。まるで、常に酸素がなくなりそうな深海ダイバーのようだ。危険を覚悟でエリアを探し回り物資を集めるか、それとも素早く目標を完了して安全に帰るか。時間をかける代わりに敵から隠れて戦闘を避けるか、それとも敵と正面から戦って早くゴールに向かおうとするか。あらゆる行動とともにプレイヤーは選択をし続ける必要があり、「近くにゾンビがいたら殺し、死体があればとにかく漁る」だけの単純な考えではうまくいかない。昼夜のサイクルに応じて行くべき場所は変わってくるため、時間帯とプレイヤーの行動はつながってくる。夜には地下鉄構内、発電所、病院といった廃墟に入り、武器を探したりアイテムクラフトに必要な素材を集め、場所に応じたミッションもこなしていく。昼間になれば街中を移動していき、外にあるストーリーミッションをこなし、特別な必要がないかぎり屋内には入らない。

「ダイイングライト2」の一番の目玉は、自由でスムーズな移動を行えるパルクールシステムである。前作のパルクールも素晴らしいものだったが、今回はさらに拡張されており、操作も非常に行いやすい。建物から建物へと飛び移り、ビルの壁面を駆け上がり、グラップリングフックを使用して街を飛び回ることもできる。夜にはアンデッドが街路を埋め尽くしており、昼間でも人間の盗賊がうろついているため、できるだけ建物の上を選んで移動することになる。これはまるで、大きくスケールアップして危険度も大幅に上がった、子供たちの「床を踏んだら負け」ゲームだ。ただ目的地へと移動するだけでも、非常に楽しく飽きはこない。

レベルを上げていけば、20種類以上用意されたパルクールスキルを解放していくことができ、街を走破する手段が増えていく。例を挙げると、壁面を走ったり、低い障害物の下をスライディング移動したり、ゾンビの頭を踏み台にしジャンプするようなものだ。高層ビルの頂上から逃げたときには、ゾンビを掴み、そのまま飛び降り、ゾンビを踏みつけたまま降下した。着地時には、ゾンビがクッションとなって落下の衝撃を緩和することができた。またある時は、ビルの壁をウォールランで移動してゾンビの群れから逃げた。ゾンビは私を追おうと走り続け、そのままビルの谷間へと落下していった……。ここまであり得ないほどクールな動きをプレイヤーが実際にできる作品も、珍しいだろう。ゲームを進めればパラグライダーが使用可能となり、特に高い建造物が立ち並ぶような場所でも屋上に辿りつくことができる。本当に、行こうと思えばどこにでも到達できると感じさせてくれるゲームだ。

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ゾンビや人間を相手にする戦闘も、敵の顔面にドロップキックしたり、近接攻撃を回避したり受け流したり、腕・脚・胴体をバラバラにしたりできるので、とにかく楽しい。欠点を挙げるなら、人間敵のAIはあまり賢くなく、想定よりも大分弱くなってしまっていることだ。集団で襲ってきた場合でもプレイヤーを囲んで追い詰めることはできず、1人ずつプレイヤーに突っ込んできては攻撃をブロックされて殺され、後ろでなぜか待機している仲間たちは汚い言葉を私に投げつけてくるだけになる。回避と受け流しさえうまくできるようになれば、人間の敵はたとえ最高難易度であっても脅威でなくなる。また今回は、夜に屋外を移動しても大して危険だと感じることがない。大量のゾンビの群れに追われるようなピンチの時でも、この甘さは変わらなかった。前作『ダイイングライト』で夜に外で動こうものなら、本当にゾンビの存在を恐れる必要があったため、これは残念な点である。「ダイイングライト2」では前作と比べると非常に強力なスキルや武器が用意されているため、この関係もありそうだ。強力な改造武器でクリティカルを出せば爆発が起こるし、敵をしばらく炎上させて一方的に殴り殺せるものもある。レベルも非常に上がりやすく、各エリアで戦っていればレベルがどんどん上がっていき、次のエリアに向かって新たな敵が登場したときでも簡単に倒せてしまう。大量のバイターを相手にするような場合でも、ゲームをある程度進めて成長すれば簡単に全滅させられるようになった。ただハウラーがゾンビの群れを呼び出したときには例外で、必ず面倒な事態になる。どこにいてもゾンビが追ってきて、建物の屋上という本来ならゾンビが出現しない場所でも出てくるので、プレイヤーがいつも通りに動くのはほぼ不可能となる。基本的には余裕で処理できても、ゾンビの群れはやはり侮れない存在であるということだ。だが、やさしめな戦闘もマイナス面だけではない。豊富な手段を駆使し、略奪者やゾンビの新たな殺し方をどんどん見つけていけるので、簡単に感じるときでも単調な作業だとは感じにくい。

「ダイイングライト2」に出てくるゾンビの種類は、人間の敵とは異なりバラエティに富んでいる。たとえばゾンビ作品ならお馴染みの、ノロノロした動きで向かってくるザコゾンビは予想通り弱い。変異から時間が経っておらず、走っては飛び掛かってくる「バイラル」もおり、より素早く対処する必要がある。「ハウラー」は恐ろしい叫び声をあげてそこら中のゾンビを呼び出してくるため、とにかく最優先で殺さなくてはいけない。そしてほかにも、さらにバケモノじみた姿になった強力な種が存在し、ボスとして登場する凶悪な種を倒すためにはそれなりの努力が必要となるだろう。それでも本作の難易度を考慮すれば、こういったボス戦で非常に苦労することは考えにくい。

バグが多いのを許せないプレイヤーなら、発売からすぐ「ダイイングライト2」を購入するのはおすすめできない。私はエンディングまでなんとか完走することができたが、道のりは厳しいものだった。膨大なバグの山がローンチ時には待ち構えているだろう。クラッシュは頻発するし(Xbox Series Xで80時間ほどプレイした私は何十回も経験し、PlayStation 5やPCでプレイしたほかの同僚たちも同じ有様だった)、カットシーン中のセリフはブツ切れになるし、あらゆる効果音が高音の雑音に置き換えられることもあり、不安定なフレームレートのせいで3D酔いも起こってしまった。NPCとの会話が不可能になったり、ミッション目標が出てこないせいでクエストを完了できない事態となるなど、とにかく多数の問題があるためこれらは氷山の一角だ。あるIGN編集者(PS5でプレイ)はセーブファイルが破損する事態に見舞われてしまい、永遠に終わらないローディング画面を見続けていた。アップデートでこの問題が改善されるまで、彼はゲームを再開するのが不可能となっている。

スケールが大きく野心的なオープンワールドゲームでは、それなりのバグや調整不足な点が見られるのはよくあることだ。だが、それを踏まえても「ダイイングライト2」は問題が多すぎる。プレイ時間が長くなれば、技術的な問題に出くわす頻度もそのぶん高くなるため、最後の方では1時間に数回はゲームを終了しては再起動していた。ようやく本作をクリアしてクレジット画面になったときには、「セーブデータ破損という最悪のバグは避けられた」ので、安堵のため息をつくことができた。少なくとも、セーブデータが破壊される危険性と、ゲームの不安定さを考慮すると、本作はPC版『サイバーパンク2077』発売当初よりも深刻な状況だと言える。あの作品でも遭遇したバグは多かったが、見た目の問題が主でゲームプレイ自体に影響を及ぼすものは少なかった。Techlandはバグの発生を認知しており、問題を修正するアップデートを行おうと全力で働いているようだ。しかし過去の例を見ても、大量のバグがある大作ゲームの修正作業は簡単ではなく、終わるまでは現実で昼夜のサイクルが何十回も繰り返されるのだろう。

長いプレイ時間の中で「ダイイングライト2」のメインとなる物語を追い続けることになるが、この物語は期待外れな形で終結する。本作は素晴らしい登場人物の宝庫であるのに、これは非常に残念だ。例をあげるとラワン(ロザリオ・ドーソン)はアンチヒーローな人物であり、彼女は悩み、酒を飲み、とにかくクロスボウで人をたくさん殺す。ほかにも活気を失った英雄のフランク、女たらしのホーコンなど大勢の人々がおり、接するのはドラマチックで楽しい思い出となるだろう。だが、彼らは孤立していて集まる機会があまりないために、主人公以外の人物の間でドラマが生まれる機会を潰してしまっている。エイデン・カルドウェルは主人公であるため登場時間が一番長く、さまざまなキャラクターと話す機会を持っているが……問題は彼である。

エイデンは復讐という目的を持つが、彼の物語は説明不足な上にオリジナリティに欠けたものだ。しかも最後には、意図すら理解できないレベルに達してしまう。キャンペーン中ではエイデンの回想シーンが再生され、謎が多く悲劇に包まれた過去を持つ人物として描かれる。彼の物語がおもしろくなるタイミングを待ち続けてはいたが、結局最後までつまらないままだった。ほかの人物は実にうまく描かれていて、キャンペーン中ではおもしろい物語も見ることができるのだが、本作の主人公はまったく記憶に残らないようなキャラクターだ。彼の個人的な物語は、ほかの物語と違って終始つまらないままで終わるのだ。

エイデンは他人のイザコザに巻き込まれるような形で進むため、ほかの解像度が高いキャラクターと接する機会を得られるのは、不幸中の幸いだ。最初のチャプターでは、2つの派閥が実行犯不明の殺人を巡って争っているところにエイデンは出くわす。疑いのある人物たちと接して、よりマシな方の派閥を選んで肩入れするという決断は、非常に難しいものだった。「ダイイングライト2」の未来世界は絶望に包まれており、誰もが善人でない社会の真っただ中にプレイヤーは放り出される。こういった部分は、本作の物語の中でも最大の魅力だ。

「ダイイングライト2」では「決断」が重要となり、下した決断によって大きな影響が起こると謳われていた。だが実際に私がキャンペーン中でとった決断は、物語を大きく左右するものではなかった。たとえばシティの中で最大勢力を誇る派閥を怒らせるため、ゲーム中であらゆる選択をしてみた。彼らのリーダーを、目の前で何人か暗殺するといった露骨な行為もした。こうすれば、悪い事態となるだろうと期待したのだが、それでも彼らとの協力関係は崩れることなく、3回ほど連続で裏切り行為をした後でも敵対はしなかった。たしかにNPCは冷たい言葉を投げかけてくることはあったが、それ以上に厳しい反撃は喰らわなかった。一部の派閥キャラクターからの評判は悪化して、ストーリークエストの内容も少しは変わったが、結局すべての大型ミッションを通常通りにこなすことができた。エンディングの内容もほぼ固定されているようで、私の決断によって一部の詳細が変化しているのは確認できたが、せいぜいそれくらいの影響である。

「ダイイングライト2」には途中参加・退出可能な協力プレイモードも用意されており、4人までのプレイヤーがシティで一緒に遊ぶことができる。ストーリーミッションに挑む、パルクール技術を使ったミニゲームで遊ぶ、ボスと戦うなど、シングルプレイと同じことが協力プレイでも可能である。キャンペーン全体が同じように遊べるのも素晴らしいことだが、人数に応じて難易度を上げる、各プレイヤーごとにドロップアイテムを出現させる(誰がアイテムをもらうかで揉める必要はない)など、現代の協力プレイゲームなら欲しい機能がちゃんと実装されているのもうれしい。また、すべての進行状況、経験値、ストーリー中でとった決断などは、ホストであろうとゲストであろうとプレイヤー自身のセーブファイルに保存される。

だが完璧と言えそうな「ダイイングライト2」のCoOpにも欠点は存在し、それはシングルプレイ時よりもバグや問題が増加してしまうという所だ。私がマルチプレイを友達と遊ぶと、フレームレートの低下やラグがさらに目立つようになり、接続の切断や技術的な不具合も時折確認できた。