ソニー、PlayStation VR2の仕様公開 4K HDRや視線トラッキングなど新情報多数

沿って : Ilikephone / On : 19/02/2023

ソニーは米ラスベガスで開催中のCES2022にて次期PSVRの名称を「PlayStation VR2」と明かしましたが、それに伴いPlayStation VR2および新たなVRコントローラー「PlayStation VR2 Sense コントローラー」の新たな情報を公開しました。

次世代PlayStation VRは2021年2月、新型コントローラーは3月に予告していましたが、約10か月越しにようやく正式公開にこぎ着けたかっこうです。

PSVR2(略称)はPS5向けのVRシステムであり、PlayStation VRの後継機的な位置づけ。次世代VRシステムとして高精細なビジュアル、新しいセンサー機能、トラッキング性能の進化、そしてケーブル1本でPS5に接続できるなど、以前の不満をことごとく解消した体験が提供される模様です。

精細な映像表現

PlayStation VR2は4K HDRディスプレイ、110度の視野角、フォービエイテッド・レンダリング(プレイヤーの中心視野ほど高解像度に、そして視野の外側にいくに従い低解像度で描画する手法)により、高品質な映像体験を提供するとのこと。

画面は有機ELディスプレイであり、片目あたり2000×2040の解像度と、90/120Hzの滑らかなフレームレートを実現。この解像度は現行PS VRの960×1080を遙かにしのぎ、消費者向けVRヘッドセット最高峰のHP Reverb G2(片目2160×2160)よりも少し低く、MetaのOculus Quest 2 よりもわずかに高精細となります。

ヘッドセットによるコントローラーのトラッキング

インサイド・アウト・トラッキングを採用し、VRヘッドセット内蔵のカメラを通じて、プレイヤーとコントローラーをトラッキングします。本体の外にカメラを置く必要はなく、プレイヤーの動きや向きがゲーム内に反映されるとのこと。


 ソニー、PlayStation VR2の仕様公開 4K HDRや視線トラッキングなど新情報多数

ヘッドセット側で装着者の位置や手の動きをとらえるシステムは、Oculus Quest2ほか競合他社のVRゴーグルでも主流となりつつあり、アップルが開発中と噂のMRヘッドセットでも同方式の採用が予想されています。

新しいセンシング機能

視線トラッキングやヘッドセットフィードバック、3Dオーディオおよび新型PlayStation VR2 Senseコントローラーを組み合わせることで、驚くほど深い没入感を生み出すとのこと。このうち「ヘッドセットフィードバック」とはヘッドセット内蔵のモーターが振動することで頭に触覚要素を加えるもので、たとえばキャラクターの脈拍が上昇したり、頭の近くをモノが通過したり、車両がスピードを上げると推進力がかかるなど。

これにPS5側のTempest 3Dオーディオ技術が加わることで、「触覚と立体的な音響」によりプレイヤーがゲーム内でのアクションや反応を自分事として受け取り可能になるようです。

視線トラッキング

PSVR2が装着者の目の動きを検知し、特定の方向を見るだけでキャラクターを操作できるとのことです。プレイヤーとゲームキャラクターの感情や表情がシンクロしやすくなり「ゲームにおけるリアリズムを新たなレベルに引き上げ」ると謳われています。

この視線トラッキングは、上述のフォービエイテッド・レンダリングと関連が深いとも推測されます。つまりプレイヤーが注視しているところを精細に描き周辺視野を粗くすることで、PS5程度のコンピューティング・パワーでも没入できるVR体験を提供可能にするということでしょう。

こうしたPSVR2の進化に、PlayStation VR2 Senseコントローラーのハプティックフィードバック(繊細な振動で手触りを伝える)やアダプティブトリガー(ゲーム内容によって動的に抵抗が変化する)が組み合わせることで、より直感的にゲームとインタラクト可能になると述べられています。

また「PS5にケーブル1本を接続するだけで、すぐにVR体験をお楽しみいただけるよう、簡単なセットアップを実現」と強調されているのは、現行PSVRの接続が下の動画のような複雑さだったからでしょう。

Oculus Quest2のように完全ワイヤレスとはなりませんでしたが、PS5との間でやり取りされるデータ量を考えれば有線接続はやむを得ないとも思われます。ともあれ外部カメラを必要とせず、(ケーブルの長さだけ)自由に動き回れることは、VR体験に没入する上でも有り難いことには違いありません。

Source:PlayStation.Blog