スマートフォンの新たなスタンダードとしてサムスンが打ち出した「Galaxy Z Fold3 5G」
サムスン電子が「Galaxy Z Fold3 5G」を発表してから、間もなく半年を迎える。フォルダブルスマートフォンを「モバイルにとっての新たなスタンダード」と定義したサムスンだが、そのもくろみ通り、グローバルでの売れ行きはシリーズ最高を記録しているという。2021年末の発表によると、縦折り型の「Galaxy Z Flip3 5G」を合わせたトータルの販売台数は、発売1カ月で2020年のそれを上回ったという。【画像】開いて見やすいブラウザ画面 Galaxy NoteシリーズやGalaxy Sシリーズと比べ、他ブランドの製品からの乗り換えも増えたといい、フォルダブルスマートフォンが同社の“顔”になりつつあることが伺える。これまでのシリーズに欠けていた防水に対応しつつ、低価格化を図ったことが勝因の1つといえる。日本ならではのトピックとしては、シリーズ初となるおサイフケータイに対応。ドコモからの発売も果たし、販路を広げている。 筆者も、そんなGalaxy Z Fold3 5Gを購入したユーザーの1人だ。ドコモ版を発売日に入手し、Galaxy Noteと同様の手書きを可能にする「S Pen Pro」と一緒に、3カ月強、メイン端末として使い続けてきた。フォルダブルスマートフォンは、サムスンの狙い通り、“新たなスタンダード”として定着するのか。使い続けてきて分かった、同モデルの魅力を解説していきたい。
まるでポケットに収まるタブレット、利用シーン拡大が最大の魅力
タブレットに迫る大きなディスプレイを、ポケットに入れて持ち運べる――Galaxy Z Foldシリーズの魅力は、この一言に集約される。電車やカフェで席に座ったときに、ポケットからサッと取り出し、開くだけで7.6型の大画面が目の前に広がるのは、スマートフォンにもタブレットにもない特徴だ。持ち運びやすさだけならスマートフォン、大画面だけならタブレットで十分だが、その両方を兼ね備えた端末は、フォルダブルスマートフォンだけだ。 これだけなら初代Galaxy Foldや2台目のGalaxy Z Fold2 5Gも同じだが、Galaxy Z Fold3 5Gはその基本に磨きがかけられている。持ち運びやすさの観点では、重量が軽くなり、コンパクトになっていることが大きい。本体の重量は272gで、スマートフォンとしては重いが、先代比で10gほど軽量化。ストレート型のスマートフォンではAppleの「iPhone 13 Pro Max」が238gで、差は徐々に縮まりつつある。 閉じたときの最厚部も、16.8mmから16mmになり、ポケットへの収まりがよくなった。お尻側のポケットに入れるとズシリとした重みは感じるものの、秋冬用の厚手のパンツならあまり気にはならなかった。折り曲げたままポケットに入れることになるフォルダブルスマートフォンは、一般的なスマートフォンより破損のリスクが高くなりそうだが、今のところ、メインディスプレイ、サブディスプレイのどちらも割れるような気配はない。Galaxy Z Fold3 5Gは耐久性の向上も図れているため、持ち運ぶ際の安心感も上がっている。 ディスプレイが大きいと何がいいかというと、やはり1画面に収まる情報量が増えるところだ。以下は、ITmedia MobileのトップページのPC版。新着記事と、アクセスランキングを一覧でき、それぞれの文字も読みやすい。ストレート型のスマートフォンで同じページを表示すると、こうはいかない。1画面に収めようとすると、文字が小さくなって読みづらいし、拡大すると1画面に情報が収まりきらない。 Webサイトの場合、スマートフォンのディスプレイ比率に最適化したレイアウトに切り替えることができるが、電子書籍だとそうはいかないものも多い。こうしたコンテンツを表示する際に、7.6型のメインディスプレイが生きてくる。大判の雑誌でも単ページ表示なら何とか縮尺を変えずに文字が読めるし、コミックなら端末を横にして見開き表示を楽しむことも可能。こうした特徴は、どちらかというとタブレットに近い。 実際、Galaxy Z Fold3 5Gに機種変更してから、利用するサービスやアプリの幅が広がった。上記の電子書籍はその一例。PCにリモート接続したり、メールで送られてきたOfficeのデータをそのまま表示したりする機会も以前より増えている。ビジネスとプライベートの両面で、スマートフォンの使い方が変わったといえる。持ち運びやすくなったことで、大画面の価値が上がって印象だ。
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最終更新:ITmedia Mobile